2012年12月22日土曜日

サルコジ氏の選挙運動資金 仏国家への返還が決定

21日、仏大統領選挙経費委員会は、国民運動連合(UMP)のサルコジ氏が大統領活動の名目で実は大統領選挙運動の経費としてフランス中を演説してまわりその資金を提出していたとして同委員会は国からの払い戻し金1100万ユーロ (約11億円)を拒否する決議をした。このことでサルコジ氏の選挙資金担当をしていたフィリップ・ブリヤード(Philippe Briand)氏は憲法審議会での再検討を要求した。
憲法審議会のメンバーにはサルコジ氏が入っている。約11億円もの運動資金は当時のパリ北部郊外のビルパントでのUMP会員の大集会や対候補オランド現仏大統領の選挙公約を意識したフッセンハイム原子力基地やトリカスタン原子力基地などへの訪問が明らかにサルコジ氏の原発支援の選挙運動をアピールするものであった。

大統領候補宣言の前に大勢の閣僚大臣らを引き連れた大々的な演出で明らかに選挙運動の性格を印象づける会合がフランス各地で毎日のように行われていた。問題はそれらの資金の出所でこれが当時から問題視されていた。大統領としての行動なのか?大統領候補としてのものなのかと疑問視されていた。

大統領選挙運動ならば後で税金から支払われることになる。サルコジは大統領として行動していて選挙の2ヵ月ほど前まで立候補を宣言しなかった。

その間サルコジ氏はフランス中を大勢の閣僚をつれて各地で盛大な会合をおこなった。それがテレビ・メディアがこぞって報道していた。その姿は明らかに誰の目にも2012年の大統領候補としての選挙運動としかいえないものだと写ったのである。

メディアはそのような事情を考慮せずにサルコジの会合をこぞって報道合戦していた。これは中立性を失った単なるサルコジの拡声器となってしまって公共メディアの存在の危機でもあって不思議なことであった。

国民運動連合(UMP)は社会党 (PS)とことなり、党内での大統領予選選挙を行なわなかったことからもサルコジ氏が唯一の大統領候補者であることは前から暗黙のうちに決まっていた。そして誰もサルコジ氏の前に大統領候補者として名乗りをあげるものはついに出なかった。したがって大統領の活動ではなくて明らかに選挙運動がおこなわれていたのは周知の事実であった。