2013年1月11日金曜日

サルコジ前大統領を「調査秘密保持侵犯」と「職業的秘密侵犯」でカラチ事件遺族側が提訴

昨年6月18日に、カラチ事件で殺害にあったフランス人遺族たちがサルコジ前大統領とエリゼ大統領官邸付元情報担当諮問官のフランク・ルブリエー(Franck Louvrier)氏を「調査秘密保持侵犯」と「職業的秘密侵犯」で訴訟を起こし、遺族側弁護士のオリビエ・モーリス師が提訴していた。パリ裁判所判事3人はこれをカラチ事件の新たな局面でサルコジ前大統領を取り調べることを決めたとルモンド紙は10日に報道した。理由は当時、遺族が提訴した資料でエリゼ大統領官邸からのメディアへの発表には、カラチ殺害テロ事件に関するどんな資料にも、「ニコラ・サルコジ」という名前は一度も出てないことと、どんな証人の名前もなく、資料作成者の名前もない事が問題になっている。
カラチ殺害テロ事件の起こった2002年5月8日当時はサルコジ氏は財務大臣で当時の造船局は国営でパキスタンにアゴスタ潜水艦(90B)とサウジアラビア(Arabie saoudite)にフリガート艦船(Sawari I)を販売している。政府の財務大臣なので署名に立ち会っているはずだ。

バラデュー元仏首相の大統領選挙運動では同氏のスポークスマンをサルコジ氏は担当していた。カラチ事件というのは、バラデユー側への還流ミッション(違法)をストップさせるためにシラク元大統領が正規(当時は合法)のコミッションを停止させたことに反発したパキスタン政府側が、カラチでアゴスタ潜水艦の建造に従事していた仏造船局員にテロ行為で仕返ししたと見られる事件である。

サルコジ氏の友人のブリス・オルトフー前内相(移民相)も遺族側から同様に訴えられている。

チェリー・ゴベール(Thierry Gaubert)氏はサルコジ氏の側近で、大金をスイスから毎週運んできてはニコラ・バジル(Nicolas Bazire)氏にパリで会って金を渡していた。このことをゴベール氏の前妻であったエレーヌ=ユーゴスラビア妃が暴露し告訴していた。

バジル氏というのはサルコジ氏の前妻セシリアさんとの結婚証人を務めた友人で、サルコジ氏がヌィーユ市長時代からの知り合いである。

オルトフー氏は拘置所にいたゴベール氏に電話をして、貴方のエレーヌが我々をばらしている。気をつけるようにと指示していたことが警察側の傍聴でわかっていた。オルトフー氏はこの当局側しか知らない情報をどこかで手に入れて、拘置所にいたゴベール氏に電話で話したことになる。

【参考記事】

Sarkozy directement visé par une enquête judiciaire en marge de l'affaire Karachi

http://www.lemonde.fr/societe/article/2013/01/10/affaire-karachi-nicolas-sarkozy-directement-vise-par-une-enquete-judiciaire_1814766_3224.html