2013年7月13日土曜日

フィヨン前首相がサルコジ前大統領側近から吊るし上げの批判攻撃

 7月11日のグランモットでのフィヨン前首相の発言が波紋を呼んでいる。サルコジ前大統領の最側近であるアンリ・グゥエノ前大統領官邸エリゼ宮特別諮問官は、「仏大統領選挙が終わって1年、次の大統領選挙まであと4年あるというのに、大統領選挙を問題に今すべきなのか」とフィヨン発言を批判した。「サルコジがUMPの未来を約束する人であるとは思わない」、「国民運動連合(UMP)は、拘置状態であり、動きのとれない凍結状態だ。これでは生存できない」とサルコジ氏が裁判でがんじがらめでUMPが身動きのとれないことを指摘したが、12日には吊るし上げの批判攻撃がなされた。

 フィヨン発言はサルコジと国民運動連合(UMP)への裏切り行為だとゲアンは厳しく批判している。

 ブリス・オルトフー前内相(移民相)は、サルコジを批判することはその首相であった自分自身を批判することと同じことになるのだと指摘した。

 しかし、フィヨンはサルコジの金魚の糞ではなかった。面従腹背とは言わないまでも、じっと服従に耐えに耐えてきた首相というイメージが常にあった人だということを忘れてはならないだろう。

 ゲアンやオルトフーとフィヨンの大きな違いがそこにある。サルコジの周囲に煙る国家的犯罪疑惑の数々を、フィヨンを批判する者たちがサルコジと一緒になって組織的連帯行為をとってきたからだろう。その点では、今後の国民運動連合(UMP)内部の亀裂の広がりが十分に心配される事件であった。決してこのフィヨン発言を縮小化して消し去ってよいわけがない。

 問題の核心をはぐらかす発言というのはUMP内に非常に多い。

 ナタリー コシュスコモリゼUMPパリ市長候補などは、「UMPが危機(サルコジの裁判の事か?)の渦中にあって内部で結束が必要な時であるのに、UMPのトップに誰がなるのかを知ることが国民の関心の中心ではないだろう」とサルコジを批判したフィヨンをたしなめている。

 そういう中で、前防衛相ジェラール・ロンゲ氏は、「みんなが手を触れたがらない、話さない問題にフィヨンは彼のやり方で光を当てたのだ」として、「フィヨンの発言はUMPにとって大事なことなのだ」と評価している。


【参考記事】
Guaino accuse Fillon de "trahison"

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