2013年7月8日月曜日

「サルコジは犠牲者ではない」 身の誤り隠す隠蔽策にサパン仏労働相が「尊厳の意識不在」を批判

 サパン労働相によると200万ユーロ(約2億6千円)をサルコジ氏は不正に大統領選挙に使っていてその返済が仏憲法審議会で7月4日に決定された。選挙管理委員会に対する尊厳の意識不在が処罰の原因であったとしている。ミッシェル・サパン仏労働相はサルコジ氏が2007年の仏大統領選挙で選挙運動資金の上限を越えて決まりを守らなかった。サルコジ氏はそれを承知していて自分を犠牲者に見せようとしているが、これは誤りだと批判した。国民運動連合(UMP)の党員やフランス国民にサルコジは呼びかけて、「自分を助けてくれ」「政府の執拗な追及だ」などと今訴えているのは、自分の罪を隠す隠蔽策なのだと批判した。

 同日8日の朝に仏国営ラジオ・フランス・アンフォのドイチマンさんのマイクの前に出演した極右派の国民戦線(FN)のマリーヌ・ル・ペン党首は、サルコジ氏は2017年の仏大統領選挙に出るとか出ないとか不明確なのは世論を騒がせているだけで、実はカラチ事件やベタンクール、独裁者カダフィからの大統領選挙運動資援助疑惑などでサルコジの立場が危険であり不安定であるからなのだと発言している。ペン氏はサルコジ氏が大統領のときから政府の金を2007年の選挙運動に当てていたと話した。

 国民運動連合(UMP)は今月末までに1億100万ユーロ(約14億3千万円)返済しなければならないため、サルコジ前大統領は今日の午後にUMP本部での会合に出席する。8日になって状況悪化していることでサルコジ氏はこれまでのフランス政府への態度を和らげる方針になるのではないかと見られている。

 サルコジ氏は仏憲法審議会の決定を不服だとし会員を辞任し、これはフランス国民が決めることだとして仏国最高決定機関である仏憲法審議会の制度を侮辱した態度に出ていた。これをオランド仏大統領が嗜めてフランスの制度を尊厳するようにサルコジ氏らに呼びかけた。

 サルコジ氏の2012年の大統領選挙運動資金は1千万ユーロ(約13億円)以上だとされている。


【参考記事】

Dépenses de campagne : Sapin accuse Sarkozy d'avoir "sciemment" fraudé