8日午後に国民運動連合(UMP)の特別総会に顔を出したサルコジ氏は何も述べずに帰った。4日に仏憲法審議会が調査決定した2012年のサルコジ氏の仏大統領選挙運動資金が規定を越えて使用されていたために、罰金1100万ユーロ(約14億3千万円)をフランス国に返済する命令を出した。同日これをサルコジ氏は不服として仏憲法審議会のメンバーを辞任して出て行った。そのため8日には特別総会でサルコジ氏の反応が聞けるとメディアは持っていた。
ところがサルコジは仏憲法審議会の決定に真っ向から反対することはフランス国家の最高機関を否定することになり民主主義に反対することになるために、あえてこれを避けることに方策を変更したようだ。これを前もって予告していたのはナタリー コシュスコモリゼ前仏エコロジー相など国民運動連合(UMP)でも極少数の冷静な人々であったようだ。
幾つかのメディアは8日のUMPの特別総会に顔をだしたサルコジは人波の中に迎えられたと表現してみせたが。これは仏憲法審議会の決定に従わないでフランス人が決めると息巻いた犯罪者を歓迎する光景であった。それを指してアンリ・グゥエノ前大統領官邸エリゼ宮特別諮問官は仏憲法審議会の決定は偏ったもので冤罪のドレフィス事件の到来だと批判している。
多くの旧体制メディアはサルコジ前大統領が政治復帰することを期待していたようだ。できれば次期の大統領選挙出馬を8日には宣言するものともくろんでいたようだった。夜のフランス・テレビ国営放送A2のニュース報道アナウンサーのダビッド・プジャダス氏は、これまであおりたててきた事件だけにサルコジ氏の期待はずれの態度には息が抜けたようで内心赤面ではなかったと思われる。