2013年11月12日火曜日

サッカーW杯優勝選手ジダンが、仏チームの監督抗議ストライキを解説

1998年のサッカーW杯優勝選手ジダンが21日にヨハネスブルグでの記者会見で、重大な南アフリカとの戦を前にして、フランスチーム内部の分裂を解説した。17日のメキシコ戦で2-0で敗れたフランスチームがハーフタイムで、ウィングのニコラ・アネルカ選手と監督のレイモン・ドメネックが口論となって、アネルカ選手はチームを追放されて帰えされた。ジダン選手の話では、20日の日曜日はこの監督の措置に抗議したフランスチームの選手達はストライキをしてぜんぜん練習はしてないといっている。チームはまるで破裂寸前なのか?なにが問題なのだろう。アネルカ選手はフランスには直接には帰らずに英国に到着したがコメントは一切受け付けてないと報道されている。(本文の初出 /公開日時: 2010年6月23日 @ 0:05  )

選手を訓練することはできないことだとジダンは考えているという。ジダン選手は、フランスのスポーツ紙「レキップ」に、この口論の内幕を明かしたものがいるが誰なのかを知るのは出来ないとし、また、メキシコと11人体制で闘うことに誰が反対したのかも分からないといっている。

アネルカ選手は口数もおおく、難しいことも言うが、それでもアネルカ選手への追放措置は受け入れられないものであると語った。外に出せば騒ぎは複雑に大きくなり収拾がつかなくなると話した。

ジダン選手の談話のなかで、自分もこの監督を全然いいとは思わないが、お互いに役割として立場を尊重してやっていたと当時を振り返る。

フランスチームのこの事件は、世界の失笑をかった、試合に負けただけでなくフランスチームの道徳的な混乱はフランスの評判を地に落としたのだと政府のロゼリーヌ・バシュロ健康相は選手に対して凄い剣幕だ。

さらには、選手たちに言いたい、フランスのイメージを落としたのは貴方たちだと発言。試合が終わったら監督を取り替えるといきまいた。サッカーのモラル向上と、財政の正常化に政治的な方策を立てると予告した。

共産党前書記長で元青年・スポーツ担当相であったマリー・ジョルジュ・ビュフェさんは、ラジオニュース・フランス・アンフォに出演し、政治のスポーツへの介入を危険なものだと批判し、世界的に人気のあるサッカーが個人の身体と精神の開花に貢献するものでなければならないと語った。

ジダン選手は、「勝てばみんな忘れることができる」といっている。が、忘れてはならないことがある。それはサッカーW杯の始まる前には、サルコジ大統領もみんなでフランスチームを応援しようなどと愛想を振りまいていたことだ。これは大統領にスポーツは(政治的)危機の特効薬との認識があったからではなかったのか。

サッカーW杯に庶民が熱狂する裏で政治家は、庶民労働者に不平等な論議の多いはずの退職年齢引き上げ法案をなにもなかったかのように、いちはやく可決しようとしていたのだといえる。選手が負けて内輪で口論が起き分裂がおきて世界の注目の的になると、自分達政治家は関係ないと言って責任を他に跳ねつけるその姿こそ、ロゼリーヌ・バシュロ健康相の息巻いた姿そのものであったのではないか。政府の自らの策におぼれた姿そのもののようである。多少はいびつな事もあったが、フランスチームの選手のせいではないだろう。スポーツが企業家や政治家の道具として汚されることの方をこそ心配する。