2014年5月27日火曜日

コッペ辞任の次はサルコジ ビグマリオン事件はサルコジ事件

ジャン・フランソワ・コッペ国民運動連合(UMP)議長が辞任、25日の欧州議会議員選挙まで嘘をついUMP内部の分裂を隠蔽してきたが、ついに爆発しコッペは退いた。しかしビグマリオン(Bygmalion)社への膨大な支払いがフランス国民の税金によっていることを忘れてはならない。サルコジの2012年のための大統領選挙運動の架空請求や水増し請求がUMPの強制によってビグマリオン社への請求書が造作されて提出されていた。25日の欧州議会議員選挙のUMPの敗北だとしてその責任を取ったように言っているが、コッペの辞任はそのためではない。コッペの辞任はサルコジのためにUMPが架空請求や水増し請求をしたことが暴露されての辞任であることを見逃してはならない。
ビグマリオン事件はサルコジ事件である。現在サルコジはフランスには居ない。中東にいるが27日にフランスをエスカルしてすぐにスペインにいくという。自分の本陣に火がついて燃え上がっているというのに、いったいサルコジはこの事件をどう解釈しているのだろうか。

サルコジが疑惑になっている事件はこのビグマリオン(Bygmalion)事件の他に係争中の事件は6つもあると右派系大手週刊誌のエクスプレス誌(L'Expresse)が5月27日に記事を出している。

以下箇条書きしておくと、

リビアの独裁者カダフィからの20012年の大統領選挙資金援助5000万ユーロ(約75億円)受け取り事件。

ベッタンクール事件。オレアル化粧品の大株主で、精神的に不安定であったフランスの億万長者ベッタンクール氏から政治資金として現金を受け取ったという事件で、再度問題化している。

サルコジが一番困っているという事件では、権力関与の事件がある。これはジルベール・アジベール(Me Gilbert Azibert)弁護士がサルコ陣営に直接にリビアのカダフィからの援助資金問題で今裁判所ではどんな運営が予定されているかを知らせたものだが、これが司法警察の電話盗聴に引っかかった。

この権力関与の事件では、サルコジとその弁護士チェリー・ヘルゾーグ(Me Thierry Herzong)は、今後もアジベールから情報をもらうために、ヘルゾーグが高齢で退職後の行き先を探していることを知っていいたヘルゾーグがサルコジにモナコの国家信議員になれるように一押し手伝う話が司法警察の傍受機にかかって暴露されてしまった。結局サルコジはモナコに行ったがヘルゾーグの希望は実現しなかった。

タピ事件。ベッタンクール事件のボルドー裁判所のジャンティ判事は一度は事件が無かったことにしたが、再燃している。その時にサルコジは大統領時代のスケジュールの書かれた手帳が家宅捜査で押収されていたが、それを返還して欲しいと要請した。が、裁判所は他の事件での容疑があるのでそれを却下していた。その手帳にはスポーツ用品の世界的メーカー・アディダス元社長のベルナール・タピとの会合が、エリゼ大統領官邸でのそれも含め7回あったことが記載されていた。1993年以来の当時は国立であったクレディ・リヨネ銀行とアディダスとの係争でタピに都合のよい私設裁判を組織化した疑いがサルコジや当時のクロード・ゲアン内相(前エリゼ大統領官邸書記総監)や、現在の国際通貨基金(IMF)総裁クリスティーヌ ラガルドに及ぶ疑惑だ。この裁判でフランスはタピに膨大な罰金を支払っている。フランスが貧乏になるのは当然なのだ。

カラチ事件。バラデューの大統領選挙スポークスマンでパキスタンへの潜水艦売買契約調印を財務大臣としてサルコジがした。《カラチ事件》

サルコジ前大統領時代のエリゼ大統領官邸の無用な世論調査の出費事件。
サルコジの最大の特徴だと思えるが、世論調査をすることだ。これは法務大臣をやっていた友人のラシダ・ダチの父親が不明な妊娠に関し世論調査をしたことや、離婚の後でカルラ ブルーニとの結婚を世論調査したことなど、政府の金を自己の保身のために世論調査をしてその資金を税金で支払っている事件で、この調査には公示がなく調査会社との癒着も問題になっている。



【参考記事】

Les casseroles judiciaires de Nicolas Sarkozy

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