2014年6月5日木曜日

サルコジ批判の勇気ある仏前労相 2012年の大統領選挙運動関係者はUMPを立ち去るべきと宣言

4日、フランスのグザビエ・ベルトラン前労相はiTéléに出演し明らかにサルコジを批判する発言をしたのが注目される。ベルトランは2012年の大統領選挙運動に関係した者は間接的であろうと直接的であろうとサルコジを支持したUMP議員は総て立ち去るべきだと宣言している。サルコジの意見が総てだと考えられている国民運動連合(UMP)にあっては、多くの人の考えはあっても表面には何も出てこないので、多くの不満な人々の意見を代表する勇気ある発言となった。
これは、サルコジの側近オルトフー前内相が2017年の大統領選挙では党内候補予選を経ずしてサルコジを候補に出すべきだと「ルモンド」(6月4日)での発言に対してのベルトラン氏のサルコジ批判である。

ベルトランはビグマリオン(Bygmalion)事件でサルコジの2012年の大統領選挙運動での巨額な架空請求が違法的に行なわれ、しかもそのしわ寄せがサルコトン募金でUMP会員が支払わされていた責任を忘れていない。

UMP内部でも心ある人々はサルコジやオルトフーへのカラチ事件疑惑やベタンクール事件など数多くの賄賂容疑が今も世間の話題になり裁判が続いていることをスキャンダルなものと見ている。メディアもサルコジ時代に金や名誉で骨抜きにされた所が今も治っていない状態でテレビもラジオも新聞も本当に大変な時代が続いているようだ。

これまでに何度かオルトフーに対し、サルコジの次の大統領選挙への意見が聞かれていたが、同氏はこれまでは否定的な意見がどちらかというと多かったようだ。

2012年のサルコの時にUMPの党内候補予選は無かったために、次の大統領選挙の時には民主的に行なうと弁明していたUMPだが、しかし今回は恥も外聞も無くこれをほごにしてまで、サルコジへの絶対的な支持を現している。しかしドミニク・ド・ビルパン元首相などは極右派国民戦線(FN)の躍進を危機視しながらも、10月の党大会で候補者の選出すればよいとみている。

2007年の大統領選挙ではFNのマリーヌ・ル・ペンは第一回投票で17.90%を得票。サルコジは10.44%であった。第二次投票で右傾化を嫌った社会党がサルコジを支持したことで、ペンは勝てなかったのであった。

UMP内部でもフィヨン元首相派やアラン・ジュッペ前外相、ロジェ・カロチ上院議員などはもう少し冷静だ。第五共和制で一度負けた大統領が再度当選することは困難であり、次の世代に希望をつなぎたいという意見が多くなっている。

現在、サルコジはロシアに行きプーチン大統領に会っている。今、プーチンは世界からウクライナ危機の非民主的軍隊介入の責任を迫られていて、ノルマンディ上陸作戦記念式典ではひょっとすると経済制裁の宣告を受けることになるかもしれない。世界が平和であることは民主主義を拡大していくために大事な条件だが、その基盤には人間を一人でも殺してはならないという思想が遵守されていなければならない。それを犯すことは許されないことである。