2014年7月2日水曜日

サルコジ拘置は「国家機密情報侵害」「権力関与」「公共資金悪用」などが容疑

6月30日にフランスの2人の高等裁判官が逮捕されて拘置されていると朝のラジオフランスアンフォが報道していた。裁判所内部の情報を、これを流したとされるジルベール・アジベール(Gilbert Azibert)裁判官とその友人のパトリック・サソース( Patrick Sassoust)最高裁重犯罪検事とが、6月30日早朝にボルドー市の自宅で逮捕され「国家機密情報侵害」の容疑で拘置された。ベッタンクール事件での裁判所情報の提供者と目されたアジベール裁判官は2012年5月9日大統領選挙第二次投票直後(オランダ大統領就任前)にサルコジから任命さえた裁判官であった。アジベール氏が担当している最高裁民事裁判官はベッタンクール事件には無関係なセクションであったために、サルコジ氏とも30年来の友人であるサソース最高裁重犯罪検事が関係したものと見られている。


アジベール裁判官が退職後の天下り先にモナコ国家審議員の席を希望していることを知っていた友人のヘルゾグ弁護士がサルコジ氏にこれを話した。モナコへ一押しする条件と引き換えに、心配なベッタンクール裁判の運営情報を手にいれて、裁判を有利にしようと相談している会話が、サルコジ氏が使用していた携帯電話から盗聴録音された。この携帯はサルコジの弁護士が再度の盗聴を危惧して、ポール・ビスモス(Paul Bismuth)の仮名で新たに買い与えたものだった。警察は、「国家機密情報侵害」と「権力関与」事件として、2月26日から調査を開始していた

2007年仏大統領選挙運動でサルコジ氏がリビアの独裁者カダフィから現金を受け取っていた容疑で、サルコジ氏はフランス警察によって盗聴されていた。この盗聴会話から偶然に、ベッタンクール事件の最高裁運営手順(これは国家機密)が、サルコジ側に流れていることがわかった。

サルコジ氏とサルコジ氏の弁護士チェリー・ヘルゾグ(Thierry Herzog)との会話が盗聴録音されていた。

アジベール裁判官はサソース最高裁重犯罪裁判官と協力してサルコジが関係するベッタンクール事件での裁判所内部の情報を手に入れたが、アジベールはモナコの席を報酬に手にしてはいない。

モナコ王室やルコジ氏の前妻であったセシリアさんの現夫リチャード・アチィラス(Richard Attias)氏の弁護士チェリー・ラコスト(Thierry Lacoste)弁護士を、別件で家宅捜査したことで、偶然にリビアの独裁者カダフィからの2007年の大統領選挙運動への資金送付を示す、ヘッドのない不思議な文書が先週末に発見されリビア関係での疑惑が深まっている。