2014年8月23日土曜日

ロマ人へのリンチ=私刑は裁かれない フランスの人種差別の風土が問題

事件当初はダリウスと呼ばれていたロマ人のゲオルゲ青年は8月18日に病院を退院した。ゲオルゲ青年は6月13日夕刻にパリ北部郊外のピエレット・シュール・セーヌ近くの詩人たちの街(Cité des Poètes)近くのスーパーマーケットの買い物カートの中に折りたたまれるように捨て置かれ意識不明で発見された。ゲオルゲ青年は他の青年集団からアパートの強盗の容疑者として睨まれていて、数時間前に青年の住むロマ人キャンプから誘拐されたと見られている。この野蛮なリンチ=私刑の行為は政府からも人権擁護団体からも個人的復習の発動行為として厳しく批判されてきた。


ゲオルゲ青年は事件当初は生死の間で意識不明が続いていたが次第に意識を取り戻した。現在も膝の骨折と神経系統の障害や打撲の痛みが続いていると弁護士は話している。

殺人未遂事件と誘拐禁固行為として司法調査が開始はされたが、いまだなんの公的発表もなされてないとルモンド紙などが書いている。ロマ人や移民によるフランス人への犯罪は直ぐに裁かれるが、彼らへの犯罪は裁かれることは非常に遅いようだ。これはフランスの人種差別の風土なのか?
在仏ルーマニア大使館はゲオルゲ青年の治療費が18歳の誕生日を今週末に迎えると同時にルーマニアの医療保障は切れるため支払いができなくなるからだという。青年は家族と一緒に住むことを希望している。20人近い家族収容できる家屋やホテルは公共団体は無理だとして青年の要求に答えられないという。そのため青年は再び路上の人となったと報道されている。


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http://www.lemonde.fr/societe/article/2014/08/19/le-jeune-rom-lynche-en-seine-saint-denis-se-retrouve-a-la-rue_4473632_3224.html

Darius, le jeune Rom lynché à Pierrefitte, se retrouve à la rue
http://www.leparisien.fr/seine-saint-denis-93/darius-le-jeune-rom-lynche-a-pierrefitte-se-retrouve-a-la-rue-19-08-2014-4073535.php

ロマ人青年へのリンチは裁かれない フランスの人種差別の風土が問題