軍隊の中にいる兵士が彼らの生活改善の抗議を外部からの操作でおこなうことなどは想像し難いが、兵士が自分たちの不平声明や異議申し立てを公開できるとすることはすでにいくらかは革命的なものだとリベラション紙は見ている。
サルコジ時代のジェラール・ランゲ防衛相は「欧州人権裁判所(CEDH)は完全に馬鹿げている」と断定している。同氏は「軍隊は戦うためにあるので」「権威の系列化と規律が必要だ。共同管理体制などは不可能である」として、軍隊の特殊性に適合した形態のものに組合はすべきだといっている。
軍隊に組合を結成することは、両者が民主主義 の右派と左派のように一致することはないだろうから、軍隊が一番効率のよい経済体制として軍国主義者に利用されることはなくなるだろう。議会と同じように軍隊内部にも組合組織を作ることはよいことだと筆者は考える。
おそらくはこれでは軍隊ではないという批判がおこるだろう。しかし軍隊は人を殺し、同時に自分も人間性を喪失する恐ろしい人権否定の装置なのである。これを否定すれば日本の平和憲法のように軍隊を無くすことになる。フランスが人間尊重の方向で少しでも改良しようとしてきているのは、軍隊は直ぐには無くならないとしても評価すべきことだ。
これまでに、2001年にはフランス国家親衛隊(軍隊)が職業的手当てと集団的服従に抗議して街頭デモを行った。またこれまでに、2人の軍人が軍人の権利擁護協会を組織したが国家審議会から破棄されている。軍人のジャン・ユーグ・マテリー氏はサルコジ大統領時代の2008年に「軍隊と市民」のフォーラムを企画して上官より怒りをかっていた。10月にフランスは、CEDHから「正当な権利を取り上げている」と軍人協会の自由について批判を受けていた。
【参考記事】
La création de syndicats dans les armées n’est pas la solution
Le Monde.fr |
En savoir plus sur http://www.lemonde.fr/idees/article/2014/12/17/la-creation-de-syndicats-dans-les-armees-n-est-pas-la-solution_4542105_3232.html#0WWRvK67iJk2TMcv.99
http://www.lemonde.fr/idees/article/2014/12/17/la-creation-de-syndicats-dans-les-armees-n-est-pas-la-solution_4542105_3232.html