2015年4月18日土曜日

サルコジはなぜ金を全額支払うことになったのか?払っても拘置や起訴は免れない

2012年の仏大統領選挙でサルコジはフランソワ・オランドに負けた。その時に大統領選挙運動資金法(L52-15)で許容上限額は2250万ユーロ(約33億7500万円)と決まっていた。ところがサルコジは自己申告で2130万ユーロ(約31億9500万円)しか使ってないとしていた。しかし憲法審議会の調査では2300万ユーロ(約35億円)で、363615ユーロ(約5500万円)が超過していたことがわかった。
選挙法によると、上限額を超えた場合にはそれと同額を国庫へ支払うことになっていたが、サルコジはこれも払ってなく、選挙運動資金の上限を遵守した場合にのみ受けられるフランス政府からの援助金153000ユーロ(約2295万円)の返済もしていなかった。

この時点で、サルコジの支持母体のジャン・フランソワ・コッペ国民運動連合(UMP)議長は、同党には金がないとしてUMP会員に呼びかけ、サルコジを救う罰金支払いの募金(サルコトン)を組織して金を集めた。この金を大蔵省へサルコジに肩代わりして支払っていた。ところが、「日曜新聞」(JDD)が、2013年に罰金は肩代わりはできず候補者のサルコジ自身が支払わなければならなくなっていると法的な指摘をした。

今度は、これとは別な方面から、2012年のサルコジの仏大統領選挙運動の副責任者であったUMP事務総長ジェローム・ラヴリヨウ( Lavrilleux)が突然、5月26日のBFMテレビに出演して、サルコジの仏大統領選挙の偽造講演会や実行されてない舞台設営などを担当し出費を計上していた会社ビグマリオン(Bygmalion)社を暴露した。その出費は3300万ユーロ(約50億円)だと明かした。それがしかも二重帳簿で、金が無くて募金をしたはずのUMPが決算していたことで大騒ぎになった。

当時のコッペ国民運動連合(UMP)議長は辞任した。法律の照らしサルコジ自身が罰金を払うことになったが、だからといって「信用違背」や「税金乱用共犯」、「隠匿」などの罪状は何も軽減されることはない。

そのため、2014年7月1日よりパリ検事は予備調査を開始した。コッペは起訴され、サルコジも拘置か起訴が危ぶまれている。サルコジはこのような状態で、2014年11月29日にコッペ後の国民運動連合(UMP)議長に就任している。これは逆説的で、そこにはサルコジの負ければすべて暴かれるとの危機感がある。

【参考記事】

L'ancien chef de l'Etat, élu samedi président du parti d'opposition, est directement visé par une enquête pour n'avoir pas réglé lui-même la sanction financière suite au dépassement du plafond de dépenses.


Pourquoi Sarkozy a remboursé à l'UMP les pénalités de sa campagne

Le Monde.fr |  • Mis à jour le  | Par 

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