仏メディアの旅: ボルドーでベッタンクール事件に判決　ヴォルスは無罪　マイストルは有罪

2015年5月29日金曜日

ボルドーでベッタンクール事件に判決　ヴォルスは無罪　マイストルは有罪

28日午後ボルドー裁判所はベッタンクール事件での「不正取引関与」面で証拠不十分として容疑者エリック・ヴォルス元仏財務相とパトリス・ドゥ・マイストル氏を無罪にした。マイストル氏というのはフランスの化粧品会社オレアルの大株主で世界10位の大富豪(360億ユーロ(約5兆4000億円)　　)リリアン･ベッタンクール婦人(92歳)の管財人で、ヴォルス元仏財務相がマイストル氏にレジョン・ド・オヌール勲章を授与したが、これと引き換えにヴォルス婦人がマイストル氏の管財事務所に就職ができたことで、そこに「不正取引関」があったのではないかという容疑だった。

ベッタンクール事件の「精神虚弱乱用」面の容疑でも、ベッタンクール婦人のところにサルコジ氏の2007年の大統領選挙運動援助金の現金を受け取りに何度もヴォルス元財務相は出かけていたが、彼女の虚弱さをヴォルス元仏財務相は知らなかったのだとして、無罪にした。

一方、パトリス・ドゥ・マイストル氏は彼女の虚弱さを知っていたのでありこれに漬け込んでいたとみなされ有罪判決が下った。刑は18ヶ月禁固。写真家のフランソワ・マリ・バニエ氏は、婦人からの巨額の贈り物や生涯保険などを掛けてもらっていたことから精神的に婦人に関与していたとされ「精神虚弱乱用」罪で有罪に判決がでた。刑は3年の禁固で執行猶予期間が6ヶ月で、罰金35万ユーロ(約5250万円)だ。

これとは別にヴォルス元財務相に手渡すサルコジの仏大統領選挙資金で、マイストル氏の管理するパリの凱旋門近くの銀行へ金を取りにいったチボー会計士の証言などは、裁判ではどうなったのか報道されてないようだ。

今回の裁判で出廷できなかった者に、裁判を前に自殺未遂して現在意識不明の状態にあったベッタンクール婦人の個人看護婦をしていたアラン・チュラン (Alain Thurin)氏は欠席したとフランス通信(AFP)ではいっている。健康が回復したら個人的にチュラン氏は裁かれることになる。ベッタンクールの持つの税金支払い無しの小島( l’île seychelloise)の管理人カルロス・ベジャラノ(Carlos Vejarano)氏も病欠した。

ベッタンクール事件は終了したようにいうメディアもあるが、全然終わってないという認識のほうが正しいようだ。

【参考記事】
http://www.lalsace.fr/…/abus-de-faiblesse-sur-liliane-bette…
http://www.atlantico.fr/…/proces-bettencourt-eric-woerth-re…