2015年5月29日金曜日

オランド仏大統領 パンテオンで、「レジスタンスの闘士」から「風刺画チャルリー・ヘブド」まで「共和国の精神」を語る

5月27日夕刻から開始されるパリのルクサンブルグ公園から東へとパンテオンの前まで続くスフロー通りの沿道には多くの人が集まっていた。特に小学 生や中学・高校・大学生などの青年が大勢いる。これは第二次世界大戦の対ナチス戦で、レジスタンスに命を捧げて闘って死んだ4人の名前がついた学校の生徒 が招待されていたからだ。オランド大統領は若い青少年たちを前にしてレジスタンスの精神を伝えようとしたのである。特にオランドが1月初めにフランスで起きたチャーリー・ヘブドのジャーナリ スト殺害事件に関連してレジスタンスを話している箇所などは本当に凄い。フランス以外のどこの世界にも見られない自由の精神がここに理解できるものだ。そ こに何故、彼ら彼女らが殺されたかの理解の糸口がある。全文翻訳が欲しいところだ。


オランダは延々と静かにそして力強くこ の4人の闘士の生涯と闘いを約45分ほど語ったのだ。聞き入る人々の中には目頭を押さえているものもあった。青年たちも真剣なまなざしでオランド大統領の 話しに聞き入るのが印象的で、このような光景を久々に見ることになった。オランドの話しには品があり、ふざけがない。

フランスの共和国の精神が何であるの かを4人のレジスタンスの闘士の生き方から必死につかみ出そうとしている話しぶりで、その真摯に探求する姿勢には大統領も市民も真理の前には平等だとの共 和国の精神があるのであろう。非常に好感が持てるものだ。パンテオンでのオランド大統領の演説は大統領就任以来の最高のものだったとの評価がなされてい る。私自身も全部を聞いたが納得できる素晴らしいものである。



フランソワ・オランド仏大統領は今回、フランスの歴史と文化に貢献した人として4人のレジスタンスの闘士を第二次世界大戦後70周年を記念してパンテオン入りさせた。特筆すべきことはこれまでにパンテオンには全部で71人が入っているが、女性は2人でしかなかった。化学者マリーキューリー(Marie Curie)さんと、ソフィ・ベルテロ(Sophie Berthelot)さんだ。この二人の女性にジュヌヴィエーブ・ド・ゴール アントニオーズ(Geneviève de Gaulle-Anthonioz)さんとジェルマン・ティリオン(Germaine Tillion)さん二人が合流することになった。オランド大統領は男女の平等を選考では考えていた。

 ソフィ・ベルテロ(16/02/1834-18/03/1907)さんは初めて女性としてパンテオン入りしたのだが、これは夫の化学者で政治家のマルセラン・ベルテロさんと生涯一緒に暮らし、死後も一緒にいたいとする純愛を称えて実現されたものだ。

パンテオンに入る4人は、民俗学者でレジスタンス戦士ジェルメィン・チロン(Germaine Tillion)さん。2008年に100歳で亡くなっている。彼女は初期のレジスタンスを闘った。1940年に「ミュゼ・ド・オム網」(réseau du Musée de l'Homme) の創設に参加した。密告されて1942年に逮捕後。ベルリン北部にあるドイツ最大の女性収容所ラヴェンスブリック(Ravensbruck)に送られた。 地獄の強制収容所から生還した少ない証人である。彼女は「知っている人が語らなければならない」と発言。20日夜のフランス国営放送テレビA2の録画でも 報道されていた。

元ATD議長でド・ゴール将軍の姪ジュヌヴィエーブ・ド・ゴール・アントニオズ(Geneviève de Gaulle-Anthonioz)さんは2002年に亡くなっている。ラヴェンスブリック(Ravensbruck)に運び去られた。

ピエール・ブーソレット(
Pierre Brossolette)氏は社会党党員でジャーナリストであった。1944年3月自殺した。それはゲシュタボにとらえられて拷問により重大な秘密を漏らすことを恐れたからであった。同氏は自由フランスの諜報部パッシィ大尉傘下で活躍した中心人物であった。

ジャン・ザイ(
Jean Zay)氏は人民戦線の教育相で1944年6月にヴィシー政権の兵士に殺害されている。同氏はフランスの教育とフランス文化に大きな足跡を残した。14歳までの義務教育を実現させ、教育の現場での宗教や政治的な表象物をつけることを禁止している。
 
オランド大統領の演説は大統領就任以来の最高のものだったとの評価がなされている。私自身も全部を聞いたが納得できる素晴らしいものである。前文の翻訳が欲しいところだ。

同日27日の夜20時からの仏国営放送テレビ・アンテナ2は何事も無かったがごとくひどく簡単に時間も1分ほどで済ませているのは不思議であった。それで民放テレビTF1を見ると、延々と実に詳しく報道がなされていて、A2とは非常に対照的であったことは記しておかねばならない。

【参考記事】
https://www.google.fr/search?q=deux-femmes-au-panth%C3%A9on&hl=ja&biw=445&bih=422&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=2X5nVbnSEYLjUZn3gMgO&ved=0CDMQsAQ

https://fr.news.yahoo.com/video/deux-femmes-au-panth%C3%A9on-une-104800858.html

http://www.lemonde.fr/politique/article/2014/02/19/quatre-entrees-au-pantheon_4369654_823448.html

https://fr.news.yahoo.com/video/deux-femmes-au-panth%C3%A9on-une-104800858.html