2015年5月22日金曜日

シリア人キリスト教修道士がイスラム聖戦主義国家(Daech)に誘拐

シリアのカリヤタン(Qaryatayn)の町で、10年来僧院の活性化に携わってきたシリア人キリスト教修道士ジャック・モウラッド氏が、21日にイスラム国家聖戦主義(ジハーディスト)武装集団に襲われて誘拐されたと報道されている。イスラム国家聖戦主義(ジハーディスト)が占拠したばかりの古代遺跡パルミールの西部100キロほどのシリア領砂漠の中の町だ。多くの武装兵士が車分乗してやってきた。彼らはコンピューターを持っていたという。国営ラジオフランスアンフォなどが報道している。

誘拐された修道士モウラッド氏はキリスト教徒とイスラム教徒との対話を進めていたという。この日に投函されたモウラッド氏の書簡にはイスラム聖戦主義国家がこの地方に侵入してきたので警戒していると書いてあった。その時に古代遺跡のパルミエが占拠されている。釈放要求がなされているが交渉は修道士が近くの人家へと逃げてい難しくなっているという。 


 「我々は今、難しい時代に生きている」「イスラム聖戦主義国家(El)グループと呼ばれる急進主義者がパルミエを占拠して、もうじき我々の町カリヤタン(Qaryatayn)の入り口に近づいてきている」「そこで彼らは多くの人の頭を切り落としている。まったく恐ろしいことだ」「今日は命があっても明日はわからない」「私たちを祈念してほしい」と書いていた。

過去に数百人の難民をこの修道院に保護したことがあった。そのほとんどが近隣の村から追われた人たちでイスラム教徒も多かったが差別はしなかったという。



もうじきこのカリヤタン(Qaryatayn)の町もオムス同様に占拠されて、イスラム聖戦主義国家(Daech)グループのダマスカス進撃への布石になるのではないかと心配されている。別のキリスト教僧侶の話しではイスラム聖戦主義国家(Daech)が次の町を占拠する前に彼らの到着を迎える勢力が準備しているのだと語った。


これは金で買われ、しばしば町や村の顔役といわれる政治的責任者である市長や村長や僧侶などDaechの進攻の邪魔になる勢力がいなくなるのはそのためだという。

同様に2013年7月にはマー・ムウッサ(Mar Moussa)協会の設立者のイタリア人ポウロ・ダル・オガリオ氏はイスラム国家聖戦主義(ジハーディスト)陣地であるラッカ(Rakka)近くで誘拐されたままいまだに消息がない。キリスト教の指導者の誘拐が相次いでいる。


【参考記事】

http://www.letemps.ch/Page/Uuid/b22b59c8-fff1-11e4-9d72-ac80ac81a032/Ils_coupent_les_t%C3%AAtes._Priez_pour_nous
http://www.famillechretienne.fr/filinfo/le-pretre-syrien-jacques-mourad-enleve-par-daesh-168172