2015年6月2日火曜日

仏の高名なジャーナリストのアラン・デュアメル氏が 人気のないサルコジの仮像の真実を語る

フランスの高名なジャーナリストのアラン・デュアメル氏が、6月1日午後のRTLラジオに出演して大変面白いことを話した。これまで仏メディアではこの真実は隠されて余り語られてこなかったことだ。それはサルコジ前大統領が先週末に党員を集めて開催したパリ北郊外の大展示会場ビルパントを使用しての新党名打ち出し後の、初めての会合を開いたのだが、集まったのは予定していた半数以下というのである。ラジオもテレビも大勢集まったように映像を編集して大成功だと誤魔化してみせていた。出席者が半数に満たなくて会場ががら空きだということを伝えているのは極少数の地方紙などがあるだけだった。


したがって先週末5月30日掲載のパリジアン紙にはサルコジ前大統領の人気が最低でフランス国民の72%がサルコジの2017年の大統領選挙出馬を希望してないという世論調査の結果が出たが、これはテレビ・ラジオではほとんど報道されてないのが現状である。

このような異常なフランスのメディア状況のなかで、デュアメル氏の発言は重要である。多くの新聞やラジオでは、この会合に出席したボルドー市長のアラン・ジュッペ元首相が会場から口笛が吹かれて揶揄されたなどと大きく報道している。またサルコジと比べて人気がないのだと仮像を使って決め付けていた。しかしサルコジ自身の人気が党内でも低下している事実を示したパリジアン紙の世論調査結果はメディアは伝えなかった。

これに対しアラン・デュアメル氏は、この日この会場に集まったのはサルコジ支持の「中核の中核」が辛うじてやって来たに過ぎず、そのために会場はがら空きで予定した座席を埋めることはできなかったのであり、参加者は予定した半数にも満たなかったのだと人気のないサルコジの真実を語っている。

デュアメル氏は、サルコジ前大統領と同じく、2017年の仏大統領選挙候補を予定しているフィヨン元首相は良識の人である。ジュッペ元首相は開かれた人。そしてサルコジはセクタリズムの人だと評した。

「共和党」(Républicains)という名前を選んだのはサルコジだが、このフランスの普遍的価値を独占化する名前付けには仏国民の多くの反対があった。サルコジはこれを押し切って、自ら汚辱にまみれさせた「国民運動連合」(UMP)の名前を嫌い捨てて、「共和党」(Républicains)への党名変更をしたのである。

サルコジは今、デュアメルからセクタリズムの人だと指摘されたわけだ。フランス共和国の価値にはふさわしくないという評価であると思える。もちろん「共和党」(Républicains)の名前はサルコジには有名無実であることはいうまでもない。

【参考記事】http://www.rtl.fr/actu/politique/alain-duhamel-l-ovation-des-republicains-a-nicolas-sarkozy-est-une-demi-victoire-7778559161

http://actu.orange.fr/politique/presidentielle-2017-72-des-francais-ne-veulent-pas-de-sarkozy-lesechos_CNT000000aBLBP.html