6月15日のフランスのニュースではアフリカの紅海を望むエリトリアやスーダンなどからの移民が地中海を渡ってイタリアとフランス国境に押し寄せている。イタリアは移民が欧州を自由に行き来できるパスポートを給付しているが、フランス側が国境を超えさせないようにしているために立ち往生の状態だ。アフリカからの移民は失業や戦争、国情の不安定によるが欧州の豊かさを夢見て危険な海をボートで渡ってくるものが多い。先週は食料も飲料水もなく山積み状態の危険なゴムボートが13艘も地中海で救助されている。彼らはフランスは通過するだけで英国や北欧へ行くことが目的だという。(パリ=飛田正夫
2015/06/17 9:50日本標準時 )
フランスの右派の政治家の中には仏国境に防衛網を築くことを提案しているまったくずれた共和国フランスの名に恥じるべき人権軽視のサルコジ時代の元大臣などもいる。イタリアが移民にパスポートを交付したのは「アラブの春」以来のものであった。
今回は、欧州全体での移民協議があった翌日で、この一人駆け抜けも人権の上からすると批判すべきことではないが、再度、欧州は真剣にアフリカ移民の処遇を再考しなければならなくなっている。これの事実を隠して報道しないメディアも多いのも問題である。
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