フランスでの徴兵制は廃止されたし、青年たちに限ったことではないがフランス人は戦略的な戦争や攻撃的な戦闘というものを否定的に考えている。当然、正当性のない戦争は絶対に許されない。それを支えているフランス人の倫理観や人権倫理が米英と大変にことなるからだと私は思う。
日本のジャーナリストや知識人の頭にある理解も、まだ一部だが、この英米に似ているのだ。それが今回の青年の反対デモ抗議の予測と驚きに現われている。しかしこれらの日本の青年の新傾向を確認したのは、今年1月に小林さんとチャルリー・ヘブドの殺害事件でパリで私が会った時である。小林さんと同じ意見をもつ日本の保守的な若者もまだいるのだろうが、知識人であるらしい宮崎駿氏なども小林さんと同様な意見を持っていたのには驚いた。
それはフランスのチャルリー・ヘブドの殺害事件への言論弾圧テロへの抗議が、フランスでは何度も何度も繰り返され終わることがないのを見て、これを小林さんや宮崎氏などが批判したものだ。その理由は、宗教は自由なのでマホメッドの肖像を描いて人の嫌がることをやるべきではない。これをやり過ぎると更なる報復テロがあるからだとう論調であった。これは全く可笑しな論議であって、イスラム主義者の殺害テロを不満足ながらも認めてしまう見解であった。これに関し私の反批判も「日刊ベリタ」が再掲載したようだ。
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201503051555084
【関連記事】
http://franettese.blogspot.fr/2015/01/blog-post_16.html
欧州における「シャルリ・エブド」の「表現の自由」解釈での英仏の相違
http://franettese.blogspot.fr/2015/02/blog-post_24.html
宮崎駿氏は 民主主義社会における風刺の意味を理解されていない
日本の青年も、戦争に対する考え方も言論の自由と同様に、変化しているのである。日本防衛ということで軍事力の必要性や戦力としての軍隊の必要性を必ずも想定しなくなっているということだ。これを無理やりに昔しのマトリックスに収めてそこから判断する必要はないだろう。もっと現実が先に動いているのである。ジャーナリストは自由な目でそれを掴まなければならないし、思想家はその時代の現実の行方を見定めてゆかないとだめだろう。
その世界が変化している時代の価値観とは孫崎亭氏の言葉で言えば次のことではないか。「北朝鮮のように孤立している国でも、どこかの国を攻撃したらマイナスだということが分かっている。今の世界の指導者の中で、何処かの国を攻撃したら、利益になると思っている政治家というのは、まずないだろう。これは時代が共有する価値観だと思う」そして、「経済を良くするためには何が必要かというと、自分たちの作ったものが海外で売れなければいけない。海外で売れるためには海外と敵対的にはなれない。だから中国の基本的な戦略は、対外的に敵対的な行動はとらないこと—」といっていることだ。
武力行使の戦争から経済をめぐる利益の争奪戦争になっても、人が殺されなくなることは大変な進歩であると一応は孫崎亭氏の意見を評価してもよいと思う。
【参考記事】
http://ukmedia.exblog.jp/24435430/【安保関連法案】「反対の声が将来に歯止めをかける」ー孫崎享氏に聞く