2015年8月31日月曜日

リビアやシリア、アフリカから欧州目指し政治難民が続出 欧州の受け入れは義務

バルツ仏首相は31日に移民キャンプで問題になっているカレー市を訪問した。これに対し仏国営ラジオ・フランス・アンフォはこのカレーの市長ナタシャ・ブッシャー氏は、「バルツが来ても意味がない」と話していると伝えた。ブッシャー氏はサルコジの「共和党」(Républicains)だ。この市長の意見に対して人権擁護団体の責任者は「そうは思わない」と答えている。バルツ首相は難民管理ではなくて、住居や衛生を整備する人権的な対策は義務だと考えている。政治的対処の仕方が異なるのだ。欧州共同体は難民を受け入れる義務があるのである。(パリ=飛田正夫 2015/08/31 23:47

フアビウス仏外務大臣はハンガリーが移民を有刺鉄線を使って封鎖していることを非人権的だとして批判している。サルコジ氏の故郷であるハンガリー政府は、このフアビウス外務大臣の批判をこころよく思ってない。

リビアやアフガニスタン、シリアなど政治的に不安定な国からの政治的亡命者がヨーロッパを目指して大移動していることが欧州共同体全域の大問題になっている。

前大統領のサルコジがリビアのカダフィ大佐やシリアのアサド大統領などの独裁者の友人であったが、今はそれを隠している。サルコジの空爆で都市が破壊された無政府状態のリビアからパッスーといわれる渡し屋によって金を巻き上げられて地中海を渡ってくるシリア難民の構図はまさしく戦争屋による不幸そのものだ。

中東やアフリカから国を失い家を失い家族を失った政治難民が群れをなして、山野を食料もなく何の保障もないままにヨーロッパに向かって歩いている姿は、世界人権擁護の立場からは欧州共同体がこれを阻むことは許されない。これを人道的に受け入れないことは許されない責任がある。