2015年10月26日月曜日

マルセイユで15歳の2人の青年が自動拳銃で射殺される 麻薬売買の不支払いが原因か

10月25日、マルセイユ北部で3人がアパートの階段周辺で自動拳銃で射殺される事件があった。撃たれ死亡したうちの2人は15歳の青年。殺害のあったマルセイユの13区のローリエ地区は移民の失業の多いところ。原因は麻薬売買での不支払いの清算であったようだ。(パリ=飛田正夫2015/10/26 15:13日本標準時 )

マルセイユ北部というのは、マルセイユの3分の1の面積をを占め、しばしば事件が起きて新聞をにぎわせることで有名だ。4つのマルセイユの区が集まっていて13区14区15区16区である。マルセイユの25万人(29%)の人口を占める。

地区は50年から60年代にガストン・デ・ルフェールという有名な市長の時代に建設された。これは第2次世界大戦で町の中心部が破壊されたために移転するためと、数年後から始まったアルジェリアからの帰還民と移民の受け入れ地区として建設されたもの。従って安上がりの建築費で都市計画も無く急激に作られている。

これが有名なマルセイユの「シテ」とよぼれる高層アパート群の集合住宅のある北部地区である。15区のプランダウと呼ばれる場所や、16区のカステラン、昨日25日に事件のあったローリエ地区がある。この地区にはマルセイユの最低賃金者住宅(HLM)の50%が建てられている。

この地区には「シテ」だけでなく、一戸建て住宅や農業地もある。プロヴァンス地方を思わせる村もある。例えばサント・アンタンヌやサント・マルスなどがある。高速道路と鉄道線路の間には工場地帯もある。

この建築的にも貧困なこの地区の存在は観光者に配る地図には記載されずに、あまり知られてない。失業は非常に高くて19%から27%もあり、場所によっては16区のカステランのように40%もあり、15区の青年は50%が失業者だ。投票行動は13区と14区が一番人口密度が高く、ここでは社会党にではなくペンの極右派系国民戦線(FN)に投票している。2014年3月の選挙ではFNのステェファン・ラヴィエ(Stéphane Ravier)氏が最高得票を獲得し、プロヴァンス・アルプス・コートダジュール(PACA)地方の審議会議員に当選。2014年4月からマルセイユの7区の市長。ブッシュ・ドゥ・ローヌ地方から2014年には参議院議員に当選した。