2015年10月11日日曜日

モラノは変わらなかったが サルコジは大きく変わったのである 人種差別の思想の豹変と亀裂

モラノ欧州議員の人種差別の発言で、これを許してきたサルコジ前大統領等と、人種差別発言を許さない「共和党」(LC)議員との間で大きな亀裂ができている。9日の深夜放送時間帯の国営ラジオ・フランス・アンフォの司会者が、招待した記者に対し、「モラノのことを話してないが」と促すと、「これは大事なことではない」と言って切り捨てた。話題にしないで隠す体制ジャーナリストがいるようだ。しかし、10日のルモンドfr等ではLC内にモラノの処罰を巡る賛否両論の対立が起こっていることを指摘している。LC内の亀裂分裂が目立つとサルコジ前大統領に都合が悪いので、モラノ問題は総て解決したが如く、隠すメディアが主流ではある。サルコジは10日間も、モラノの差別発言の後、世論の右傾化を期待して様子を伺っていたかのようでもあった。しかしモラノ発言はフランス社会を二分化させる怨念の発言として指摘されたりしたことから、その責任を問われることを恐れたのか、サルコジはモラノに謝罪を提案したのであった。モラノが主張を翻さなくてフランスの世論もメディアもこれに大きな反感を抱いたためか、この直後に驚くべきサルコジ「共和党」(LC)の反人種差別宣言をやってのけたのである。サルコジ自身の内部でも亀裂ができたということか。モラノは体よくエスケープ・ゴートされたのである。モラノは変わらなかったが、サルコジは大きく変わったのである。これを思想の豹変といわずして何と形容すべきだろうか。(パリ=飛田正夫2015/10/11 17:34日本標準時 )

9月26日の人気深夜番組「私たちは寝ない」に出演して「フランス国は白人」の人種差別発言をした。その後にフランスでの世論が大な高まりを見せ人権思想に反する危険な発言と欧州議会議員なども話題にするに及んで、「共和党」(LC)(前の国民運動連合UMP)党首サルコジは、これまでの長い間に渡る沈黙を破って、10日6日、モラノは24時間以内に謝罪すべきだと突如として提案を出した。

モラノ欧州議員は7日の19時が来る前にLC党の仏道義委員会(CNI)の全員一致によって、12月に予定されてるアルザス・ロレーヌ・シャンパーニュ・アルデン地方選挙の議員候補の取り下げが決議要求された。一方、LCは2016年の仏大統領選挙予選選挙候補者の資格をなくす処罰をした。しかしこれは10月7日のことであり、それよりも前にはLC党議員の多くがモラノ氏を擁護していたのである。彼等もまた主人に習って、急激に右往左往して豹変化している議員の多いことが10日のルモンドfrの移動グラフィックからよくわかる。



【参考記事】
http://www.lemonde.fr/les-decodeurs/article/2015/10/10/pour-ou-contre-morano-ce-que-la-polemique-revele-des-fractures-chez-les-republicains_4786872_4355770.html


Pour ou contre Morano ? Ce que la polémique révèle des fractures chez Les Républicains
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