今回の暴露された調査は、リリアン・ベッタンクールさんの娘で現ロレアル社長取締役のフランソワ・ベッタンクール・メヤーさんが、母親であるリリアンさんの邸宅の使用人たちにリリアンさんが精神的に虚弱であったとの虚偽の証言をするように金で圧力をかけていたと、リリアンさんの男友達で写真家のフランソワ・マリ バニエ氏が証言し訴えを出したために司法調査が自動的に発動したもの。
リリアン・ベッタンクールさんの娘さんからは、リリアンさんの使用人で会計士だったクレール・チボーさんの銀行口座には30万ユーロ(約4500万円)が振り込まれていたことは裁判所も知っていたが、偽証の圧力をかけるための金であったとは見てなかった。
バニエ氏はすでに裁判でリリアンさんの精神的虚弱さに取り入ってこれを利用して、月に100万ユーロ(約1億5千万円)の小遣いや絵画などをプレゼントしてもらっていたのだとされて、このリリアンさんに対する精神薄弱侵害で有罪に決まっていたもの。35万ユーロ(約5250万円)の罰金と6か月の執行猶予付き3年間の禁固刑が課せられていた。
ベッタンクール事件では7人が起訴されて、その内バニエ氏やリリアン・ベッタンクールさんの管財人パトリス・マイストル、弁護士のパスカル・フィルヘルムが有罪となっている。その他の裁判は2016年春に予定されている。サルコジ前大統領やその財務大臣でサルコジの大統領選挙運動の金庫番をやっていたエリック・ウオルツ(Eric Woerth)等はリリアン・ベッタンクールさんから現金を受け取っていたとされていたが、証拠不十分でリリアンさんに対する精神薄弱侵害の疑惑は消えていた。
リベラション氏は特にこの事件がまだ終息しているには程遠いとの見解を示したのは国営ラジオ・フランス・アンフォなどの見方とは距離があり、リリアンさんに対する精神薄弱侵害の判断を巡って、再度の裁判の評価も問題視される可能性がでてきた。
ベッタンクール事件というのは、初めは大富豪のリリアン・ベッタンクールさんの娘が、自分の母親が写真家のバニエ氏に金を注ぎ込んでいるのをみて、自分への遺産が減ってしまうことを心配して、ヌィーイ市にあるリリアン邸宅の使用人に盗聴器を仕掛けさせてリリアンさんの管財人マイストル氏との会話を録音させたもの。それがインターネット新聞の「メディアパー」とル・ポワン誌に流れた。その二人の会話に、「サルコジには金をやったのか」とか、「それは済んだ」「ペルクレスは選挙に負けたが、上げなければいけない」などというのがネットに流れて、これがサルコジ大統領運動資金に回った金だとされて問題になってきて、ベッタンクール事件といわれているものだ。
【参考記事】
http://www.lemonde.fr/enquetes/article/2015/10/03/affaire-bettencourt-ouverture-d-une-information-judiciaire-pour-subornation-de-temoin_4781981_1653553.html
Affaire Bettencourt : ouverture d’une information judiciaire pour « subornation de témoin »
En savoir plus sur http://www.lemonde.fr/enquetes/article/2015/10/03/affaire-bettencourt-ouverture-d-une-information-judiciaire-pour-subornation-de-temoin_4781981_1653553.html#pD3C3l3iWu1MBVSw.99
http://www.liberation.fr/politiques/2015/10/03/affaire-bettencourt-ouverture-d-une-information-judiciaire-pour-subornation-de-temoin_1396466
La fille de Liliane Bettencourt suspectée de pressions sur des témoins
Par AFP — 3 octobre 2015 à 16:17 (mis à jour à 17:25)