2016年4月4日月曜日

エールフランス航空のイラン便再開で スチワーデスがイスラムの被り物の装着義務を拒絶

(パリ=飛田正夫2016/04/04 1:54日本標準時)2008年に閉鎖されたエアー・フランス(Air France)航空のパリ-イラン線が8年ぶりに4月17日から再開する。フランス航空はスチワーデスなど乗務員女性に対し、飛行機を降りる時には髪を隠す被り物(フラー)を着け、スカートはパンタロンに履き替え、上着は長いのを着る義務を社内通告で要求した。このエアー・フランス(Air France)側の要求に対して、乗り組み員たちからは、強い反対の声が上がっている。イスラム女性の被り物の義務を法的にイランが要求したのは1979年の革命以来だ。両国の原子力合意の後に、パリ-イラン線は再開するが同時にフランス側のスチュワーデスには、表現や人権的な権利としてフラーが問題になている。

民間航空機搭乗員組合(UNAC)の会長フロール・アリギィ氏は、「スチュワーデスはこの仕事を断る権利を持っている」とし、「業務的なスケジュールでの跳ね返りや給料の削減なしにテヘラン行きを拒絶することができる措置を打診している」と、FRANCETVINFOのインタビューで答えている。

エアー・フランス(Air France)側では、イラン国の寛容と尊厳の観点からの配慮だとしている。しかし民間商業航空乗務員で作る組合(SNPNC)側では、この措置が女性の尊厳を傷つけるものであるとして抗議している。

このエアー・フランスの措置は業務上での摩擦を避けるためのだという。しかし公道を歩く時の義務ではないのなら、国際飛行場内で飛行機を降りる時だけ民族衣装を着けてもそれは尊厳ではなくイランへの偽善であり、返って人間の権利を縮小するもので、フランス国とエアー・フランス(Air France)の価値を損ねるものになるだろう。

【参考記事】
http://www.francetvinfo.fr/monde/proche-orient/nucleaire-iranien/vols-paris-teheran-les-hotesses-d-air-france-ne-veulent-pas-etre-obligees-de-porter-le-voile_1385435.html

http://www.snpnc.org/compagnie/air-france

http://www.leprogres.fr/france-monde/2016/04/02/vols-paris-teheran-les-hotesses-d-air-france-refusent-de-porter-le-voile
http://www.ladepeche.fr/article/2016/04/03/2317197-rouvrir-ligne-paris-teheran-hotesses-air-france-doivent-voiler.html