2016年7月23日土曜日

独も仏もテロリストが 右翼系政治家の意楽の道具になるのを危惧

(パリ=飛田正夫)ミュンヘン市内の中心街のコマーシャル・センターで22日午後に起きた銃器襲撃事件は、ドイツ警察によるとほぼ確実に18歳のイラン系ドイツ人の単独犯行で、9人を殺害し初回の発表では21人に負傷を負わせた。前科はなく警察には知られてない。犯行後に、1キロほど離れた同市の北部で自殺したと見られている。犯行動機はまだわかってない。目撃者の証言では、3人が銃を撃ったとしているが警察側は即断を控えているという。中央駅と公共運輸機関の封鎖は解かれたといっている。ドイツ南部のバイエルン地方は右派系住民の強い地方で、国土の隣が右傾化しているオーストリアであり文化的にも相似していることから、メルケル独首相やオランド仏大統領も心配している。ドイツは2015年に100万人もの外国人難民受け入れをやっているために、外国人の犯罪が右派勢力の格好の批判材料になりかねない状況になっているからだ。



いつでもこの種の事件はテロのレッテルを貼られて、政治的外国人嫌いの右派政治勢力の政治的台頭に利用されやすい。ヨーロッパの統一も破壊される。フランスもドイツも大統領選挙を前に、テロリストの活動が逆に国民の統合が、政治的分裂の道具として利用される絶好の材料にされることを十分に心配している。ニース市での悲劇も悪い政治家たちやメディアの意楽(いぎょう)に利用されることを危惧している。

英国の欧州離脱派が国民投票でEU離脱の理由にしたのは移民・難民の受け入れで、自分たちの職を失うのを嫌ったからである。テロもこわいわけだが、これによってフランスのサルコジのように、国内の右派勢力に油を注ぎ嘘を教唆して右派勢力を掻き立てることで、ペンの極右派系国民戦線(FN)や、テロリストと同じく国内を分断する動きが予想される。

18日21時15分ごろに17歳のアフガニスタンの青年が、今回と同じドイツ南部のバイエルン地方のトルシュリンゲン(Treuchlingen)とヴュルツブルク(Würzburg)とを結ぶ地方列車の中で、乗客を斧とナイフで4人を負傷させた事件では、犯行声明がダエッシュ=イスラム主義国家テロリスト組織(IS)から出されている。青年はヴュルツブルクで列車を降りて逃げたので、ドイツ警察に射殺されている。公衆に危害を加える行為はテロ扱いされている。(文字数 ;985)(投稿パリ時間 12字51分; 日本時間 ;2016/07/23午後12時51分)