(パリ=飛田正夫 日本時間08/02/2017 0:47:01)7日、サルコジ前仏大統領が2012年の仏大統領選挙運動費超過の事件で他の容疑者12人と共に裁判所送りが決まった。仏第五共和制下ではシラク元大統領がパリ市長時代に架空雇用の公金横領罪で起訴され裁かれたのに続き、サルコジ氏は第2番目の大統領となる。二人いる判事の中心的な第一判事であるセルジュ・トールネイユ判事がサルコジの起訴状を出した。「共和党」(LC)や国営ラジオ・フランス・アンフォのサルコジを支持する論説者は、もう一人のヴァン・リュインベック判事はこの起訴を支持しなかったのだとしてこれを強調している。このことでフィヨン元首相の妻ペネロップ(Penelope Fillon)さんの架空雇用疑惑の動揺がまた静まってない中で、「共和党」(LC)は内部分裂は極限に達して爆発寸前だが、仏大統領選挙まであと70日と迫っている中で、民主主義のためには良い知らせだと社会党(PS)では言っている。フランス時間7日午後15時の国営ラジオ・フランス・アンフォなどが報道している。メディアによるとサルコジは上訴すると宣言している。
これはサルコジの大統領選挙運動を担当していたビグマリオン(Bygmalion、子会社Event&Cie)が大掛かりなものだけでも44回ものサルコジの講演会を開催していて、仏大統領選挙での運動費用が法定上限額2200万ユーロ(約33億円)を超過する時点でサルコジの選挙運動指揮官であったギヨーム・ランベールと同選挙の会計係りがサルコジにその超過の違法性を知らせて注意したが、サルコジはそれに耳を貸さずに更なる拡大講演会を続行させたという。その講演会続行の指示をサルコジが命令したことが問題になっている。
サルコジはこれを知っていいたのだと証言している。最終的な超過額は213万ユーロ(約3億2000万円)となった。
サルコジの作った現「共和党」(LC)というのは、この国民運動連合UMP時代に党首であったサルコジがビグマリオン事件で名前を汚してしまっていて、都合がわるので名を変えたものであった。ビグマリオン事件では1800万ユーロ(約27億円)にのぼる架空の二重帳簿の偽請求書を作成させて、サルコジの選挙演説会場の設営担当会社エヴァン&シィから、サルコジの支持母体である国民議会連合UMPに請求書を出させて支払わせていたもの。UMP議長はフランソワ・コッペで、このことでコッペは辞任している。