(パリ=飛田正夫 日本時間;11/03/2017-17:02:18)私が中学生の頃でしたかアメリカの経済学者ボールディングが日本に来て大変な騒ぎだったのを覚えています。テレビでも何回か講演が写されていた。彼の「宇宙船地球号」の警告と主張はイメージ的に公害汚染の環境破壊を抱えた日本にはよくわかりやすかったし、その後の日本での影響は各方面に大きかったと思います。世界でも同様に特に核や環境汚染問題で現代の世界環境合意「コード21」の可決などに影響を与えてきていると思います。ただ彼がクェカー教徒だとはその当時から言われていましたが、宗教経済学者との名前は無かったしその関係も論じられなかったのだと思います。しかしその宗教と2011年3月11日の福島原発事故との関係は私には非常に興味があるものです。なぜ日本が福島原発事故のような取り返しのつかないことを起こしてしまったのか、それが地球全体の将来を「宇宙船地球号」として予告しているからです。これを宗教との関係で、いま読み解く必要があるはずです。このボールディングの考えに非常に共感した人に池田大作がいるのです。彼の仏教観にも近いものであったのでしょう。池田大作は創価学会ですが、世界平和に関する思想では日蓮大聖人の考え方とは正反対であったのです。むしろ念仏・法然の思想に近かったのです。つまり世界の静謐を収めようとすることを全面的に立てるところにボールディングの地球運命共同体の思想が池田大作と一致するわけです。ですから宗教者としての法然先生とも繋がっているわけです。宗教者としてのボールディング、宗教者としての池田、法然はこの世界平和論の立ち位置で繋がっているのです。
この法然のように宗教の高低浅深をつまり人間の悪い思想を許してしまって、ただ世界平和、世界平和と叫ぶ中には根本的な人間の人間の貪(むさぼり)と、瞋(いかり)と、癡(おろかさ)の心で、この貪・瞋・癡(どん・じん・ち)の三毒の煩悩の解決がないために、だから世界に人が人を殺す人災である戦争や市民戦争などの三災七難、また自然災害などの天変地夭、社会的不平等格差での難民が世界的に出現し飢饉疫厲が起こるということを日蓮大聖人は言われている。これが「立正安国論」の中で法然思想との対決のなかで顕されているわけです。
ですから2011年3月の福島原発事故の悲劇は、日本の自公与党政権の中にあって「創価学会・公明党」の指導者であった池田大作が、核の平和利用なら原爆兵器の実験や研究でないのでやっても良いのだとして日本国に原発基地建設を許したのです。ここで創価学会はそれまでの反戦・反核の平和思想を捨てたのでした。これは池田大作の「立正安国論」の読み間違えから起こっているのであるが、かなり意識的な読み誤りをやったということです。そのために日蓮大聖人の仏法も改変させて読むことになったのです。倒立した池田読みになったので社会もまた動転したのです。