現金の申告なしでの国外持ち出しを高官でありながら、それが資金洗浄罪になることを知らなかったと22日にパリ裁判所長官に答えたのは2007年のサルコジの仏大統領選挙でサルコジボーイとして活躍したボリス・ボワロン(Boris Boillon)であった。ボワロンを知らない人は多いとおもうが、この人はサルコジが2002年に仏大統領選挙で当選するとセシリア・サルコジ夫人がリビアで人質になっていたブルガリア看護婦らを独裁者カダフィから電撃解放した話題は記憶にあるかもしれない。その下準備をした人がボワロンである。バワロンは、ドル札4万ドル(約440万円)とユーロ紙幣35万ユーロ(約4340万円)をスポーツバックに入れて2013年7月13日にパリ北駅からブリュックセル行きのタリュス号で現金輸送をはかって警察に逮捕されていた。現金洗浄、公金汚職、脱税などの罪で執行猶予付き18ヶ月の拘置と罰金が宣告された。5年間は公職には付けなくなった。ボワロンは現金を3つにわけで高級住宅街の地下や事務所に隠していたが盗難を恐れてベルギーに運ぼうとして捕まった。(パリ=飛田正夫 投稿日本時間2017/05/24 ;15:56)
http://www.lefigaro.fr/actualite-france/2017/05/23/01016-20170523ARTFIG00369-prison-requise-contre-boris-boillon-l-ex-sarko-boy.php
2002年にサルコジが大統領になると、ボワロンはクロード・ゲアンエリゼ大統領官邸総書記官と共にカダフィから要求されていた一人100万ドルの身代金をフランス政府が早急に立替えて、人質を解放させた。しかし一方で20億ユーロ(約2480億円)の現金がシリアからパリ北部近郊のブルージェ空港へ民間飛行機で運ばれ、その飛行機にはゲアンとボロワンが乗っていたと証言されている。この時は100ユーロ札と500ユーロ札が殆どであったと匿名で警察に証言されているという。
一方、2007年の仏大統領選挙でもサルコジにカダフィから送られた政治運動資金がムサクサ文書として送金裏書文書が発見されて話題になっている。今回のパリ裁判所の質疑ではこのリビア資金の件は話しに出なかったとインターネット新聞のメディパーでは書いている。