2017年7月15日土曜日

パリマッチに不謹慎批判 ニース暴走トラック・テロの犠牲者の 真の追悼とは 

(パリ=飛田正夫 paris時間;‎‎‎15/‎07/‎2017-05:17)一年前の仏革命祭では南仏ニースで86人が暴走テロトラックに跳ねられて死亡し、約450人が負傷した。パリマッチ誌が13日にこの時の写真映像を掲載して発売した。これが犠牲者や遺族の威厳を損ねるものと支援団体などが反対の抗議をしていて、パリマッチ側はニース市の監視ビデオの映像から注意して選んだ写真だと主張している。国営ラジオ・フランス・アンフォなどでのインタビューで専門家が答えたのには、特別に神経をとがらせる様な写真はなく、あると言えばそれは犯人が射殺された現場の写真ぐらいだと述べている。ニース市の監視ビデオに映った映像の全容はわからないが、14日夜のフランス国営放送テレビA2ではこれを長時間に渡り取り上げて、その映像の一部を流して見せている。この監視ビデオの映像の担当責任者というのは市長の知り合いであったことなど、国の担当官との間に意見の不一致があってそれが当時も話題になっていた。

ニース市のテロ事件はパリでチャルリー・ヘブドのジャーナリスト殺害事件やバタクラン・コンサート・ホールのテロ殺害などの後で、大都市での大きな催しが狙われていることはわかっていたのであって、これにニース市は無頓着であったという批判がある。ニーステロでの犯人は事件の下見を大型トラックでイギリス人海岸の歩道を走らせて何度も下見をしていたのが市の監視カメラに映っていた。

報道の自由を主張する立場からはニース事件の全容が監視ビデオも含めて、全容を隠し片端し片端し報道するのではなくて、市民に真実をしらせる報道を心がけるべきだろう。それが本当の犠牲者への追悼となるだろう。勲章を授けたり追悼の大掛かりな儀式で、真実の責任を追求する人々の目を曇らせ覆ってはならない。犠牲者支援の各種団体もこれを忘れてメディアに抗議しては、結果は逆さまになるだろう。

【参考記事】
http://www.huffingtonpost.fr/2017/07/13/des-photos-de-lattentat-de-nice-publiees-dans-paris-match-indignent-victimes_a_23027405/