2011年1月2日日曜日

対立深まるコートジボワール 国連軍が市民に発砲 バクボ大統領が退却を要求

1月1日大統領を自認するローラン・バグボ氏は12月28日にコートジボワールの北部のアボボで国連軍が群集に向けて発砲し2人が負傷し現在軍事病院に入院していると発言した。国連は何のためにいるのか?市民に発砲するのは国連軍の仕事ではない。駐留する国連軍9000人とそれを援護するフランス軍隊900人の退却を再度要求している。同大統領は国営テレビRTIで負傷した市民の姿を映像に写しだして見せ国連軍による被害者だとしている。

バグボは11月28日の大統領選挙の最終投票後の国連やフランス、アメリカなどによる一連の動きを軍事的に対抗候補のアラサン・ワタラを支援したクーデターの陰謀であると見ている。

仏総合紙のヌーベル・リパブリック紙はフランス通信(AFP)を引いて説明し、RTLテレビというのはバクボ大統領の支配するテレビだという。

サルコジ大統領が局長を任命しているフランスの国営放送・テレビA2では、アボボでの群集の抗議を映し出しているが国連軍がコートジボワールの群集に向けて発砲したことは報道されてなかった。A2では国連軍の兵士の1人が斧で群集に両腕を切断されたと報道したがその映像は写されなかった。

12月29日になって、国連軍は固く否定していたアボボでの群集への発砲を認める宣言をだした。群集が反抗してきたので迫撃弾として撃ったのだと証言されている。

12月31日、バグボはワタラから31日深夜までに大統領を辞任するように圧力を受けていたが、バグボはこれに屈しないと再度引き下がらないことを確認する声明を出している。またバグボは選挙後の暴動事件総括審議会の設立提案を出している。そこで大統領選挙の全期間を通じて人権侵害がどのようになされたかの詳細な調査をするといっている。

国連では12月中旬からでは179人が死亡しているとしているが、バグボ側では11月初旬からでは53人が死んでいるといっている。しかし犯行者が誰であるのかは混乱の中で未確認だと現地NGO非政府組織の責任者は発言していることが「ラジオFrance Info」などで報道されてきている。

ワタラ派の首相となるソロ氏は反政府組織の新勢力(FN)指導者である。同氏はバクボを追い払うのには軟弱なやり方ではだめで強硬手段に訴える必要があるとの考えを示した。

バクボ氏を説得する交渉で28日に西アフリカ諸国経済共同体(CEDEAO)の3人の代表がコートジボワールを訪問したが成果無く帰国した。しかしこの交渉はバクボとワタラの両陣営の対立がアフリカ諸国や国際社会を巻き込んで巨大な溝を深める中で1月2日に再会される。

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