2011年6月15日水曜日

チュニジア欠席裁判=独裁者ベンアリ、サウジアラビア王国に逃げ篭り 

チュニジアを23年間に渡り独裁者として不正に私腹を肥やしてきたジン・アビディン・ベンアリ前大統領の裁判が6月20日から開始されると13日夜に臨時政府首相のベジィ・カイド・エセブジ氏が発表した。サウジアラビアに逃げ篭って公衆前に姿を現さないベンアリが欠席すると見られている。このことで人権擁護団体やチュニジア市民からは移送に時間がかかっても出頭させるべきだと不満の声が出ている。ベンアリとその妻レイラ・トラベルジィは5年から20年の禁固が予想されているが、当然のこと死刑にすべきだとする意見も多い。


ベンアリは1月14日にチュニジアを逃走して一度はフランスへ向かったがマルセイユ付近で進路を変えて飛行機はサウジアラビア王国に夜半過ぎに到着した。それ以来サウジアラビアにチュニジアがベンアリの引渡しを要求しても知らないふりをし続けてきている。多くの起訴者からは死刑にするべきだとの声が上がっている。

ベンアリもエジプトのムハンマド・ホスニ・ムバラク前大統領と同じく裁かれる必要がある。ベンアリは数千人を拷問して百人ほどを殺害しているとされている。またベンアリのチュニジア郊外のシィディ・ブー・サイダにある家からは大量の麻薬、巨額の財宝や外国紙幣2700万ドル、金塊、武器などの資産秘匿や公共財産の横領での資金洗浄などの証拠が発見されている。

ベンアリはこの裁判をさして弁護士による虚偽であるといっている。

チュニジアの市民からはベンアリの一族はチュニジアを強奪したのにその中心的首謀者が裁判所に出頭しなかったのならばどのように裁判するのかという心配がされている。

2月中旬に新チュニジア大使にサルコジ大統領から任命されたボリス・ボワロン氏などもチュニジア人民を支援したいといっていたのだからフランス政府がベンアリのチュニジア送検に協力してもよいはずだろう。


(参考記事)

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