2011年10月8日土曜日

トルコ外相、仏大統領のアルメニア訪問で、サルコジの「歴史の教訓指導」に反発

仏殖民地政策7日、サルコジ大統領はアルメニアのエレバン(Erevan)にある1915年のアルメニア人大量虐殺の記念館を同国のセルジュ・サルキジアン大統領とともに訪問した。トルコに対して歴史を回顧して大量虐殺を認めるように喚起した。「アルメニア人大量虐殺は歴史的な事実である」「トルコは大国であり、他の大国と同様に自国の歴史を回顧すべきだ」と教訓して、フランスとドイツを例にあげて、「我々は歴史を見ているので、常に強力である」と指導を垂れた模様だ。

これに対しトルコのアメッド・ダブトグリュ(Ahmet Davutoglu)外相は、「(フランスが)自国の過去に立ち向かえないというのは、それは数世紀にわたり植民地主義の政治をやってきたからである」、「それは植民地の市民を第二等市民として扱ってきたからである」「(フランスは)トルコに歴史の教訓を指導することは出来ない」とサルコジ大統領の発言に反駁した。

さらに外相はトルコとアルメニアとの和解交渉は我々がするのであって、サルコジ大統領のやり方では否定的な結果しか出ないと批判した。

サルコジ外交の特徴は歴史的な人間の記憶の土地を訪れて、花束などを献じその機会を利用して政治発言をすることが多いのが特徴だ。そこを捕らえたトルコの外相の指摘は重要だ。死者の政治的な利用であるならばそれは冒涜になってくるだろう。トルコの外相のような頭脳の明晰性と、まず偽善ではない潔癖性こそが今の世界の政治家に本当は求められているのではないのか。

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