15日、フランスのソブリン格付け評価各社が著しく悪化していることから、インセ(INSEE、フランス国立統計経済研究所)は今後フランスが景気悪化の赤線下に突入する予想を宣言した。フランスの経済は2011年夏以来の景気停滞を経て、最近の4半期の2期にわたり連続でマイナスに低落した。年末の代4期の結果はフランスの経済成長率はマイナス0.4%と悲観的なものが予想されている。来年の上四半期はマイナス0.1%の予想だが強い混乱が起きている。フランスと欧州の借金返済能力欠如で政府の統制力の破局化が財政システムへ連動し経済成長へ跳ね返ったものと見られている。
経済成長率を上げる2つのエンジンである雇用と投資が混乱状態なのがフランスのネックになっている。12月度は2年半以来の最低を更新することが予想されている。フランス政府は2012年を経済成長率1%と公式にいってきたがこれを宣言するのは難しくなってきたようだ。
多くの景気研究機関では数字をすでに下げているが、例えば経済協力開発機構(OECD)の予想では2012年のフランスの経済成長率は0.3%としている。経済の再興はイタリアやスペインよりもフランスは困難だと予測される。
イタリアは産業構造がフランスとは異なり20%の大工場労働での工業人口があるのに対し、フランスは11%で中小企業がほとんどを占める。スペインの復興は予想に反する速さで輸出の伸びはドイツなどよりも早く立ち上がってきていて、来春からは外貨が入ってきて外資収入が黒字になる。こうなれば他所から借金をしなくて自己資金で投資もすむようになるからだ。
こういことがフランスにはない。それはフランスは産業に問題があって外資収支が良くならない。フランスはイタリアやスペインよりも構造的にも不利な立場にあるとナチィックシスの経済研究所長パトリック・アルチュス氏は説明している。
非常に興味深い仏国営ラジオ・フランス・アンフォでのアルチュス氏の発言ではあるが、フランス国営放送テレビA2などではこういう話はまず聞けないのは不思議なことである。
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