2011年1月30日日曜日

世界のエジプト大使館前で「ムバラク出て行け」とエジプト市民が抗議 

29日のフランスの代表的新聞「ルモンド紙fr.」は世界中に散らばる在留エジプト人が各国の大使館前に集会しエジプトのムハンマド・ホスニ・ムバラク大統領の国外退出を求めて抗議したと報道している。「ムバラク出て行け」という糾弾の宣言は、チュニジアでベンアリ前大統領が退散して国外に亡命をはかったチュニジア革命で叫ばれていたもの。これをエジプトのムバラク大統領に適応したものだ。

ルモンド紙は東京でも同様な抗議のデモが数十人によってなされたと強調した。同紙の報道によると、欧州のほぼ全域で在留エジプト人が各国大使館前でエジプト民衆の抗議に連帯する集会が持たれたと伝えた。

パリのシャンゼリゼの凱旋門近くにあるエジプト仏大使館前に集会した700人ほどのエジプト人は「ムバラクは出ていけ」 「ムバラクはいやだ」と書いた看板を掲げて抗議している。

ギリシャのアテネでも赤白黒の横縞の三色旗を掲げてモバラクが国外に出てゆくことを求めている。
ローマ、ロンドンでも、またヘルシンキでは雪の中を同様に抗議の人々がエジプト大使館前に集会した。

中東やマグレブ世界でもチュニジアは勿論のことヨルダンのアンマンでも左翼系の数十人がムバラク体勢を批判すると共に、ヨルダン権力の転覆を呼びかけた。

レバノンのベイルートではムバラクの写真や人形を燃やして、エジプトとイスラエルとの関係を告訴している。

ベネズエラの首都カラカスでは20人ほどのエジプト人がエジプト大使館内に入り込んでアラブ語で書かれたモバラク大統領反対の看板や国旗を持って抗議している。

世界各国に散らばるエジプト人が祖国の一大事を心配して、30年以上に渡るモバラク独裁政権打倒の流れに合流していてこの連帯がさらなるイスラム・アラブ世界の民主化に波及するものと見られる。