2011年2月4日金曜日

ムバラク大統領の譲歩策、息子ガマル氏は後継せず、エジプトの民衆は国外退出を依然要求


1981年から独裁政権を30年も続けてきたエジプトのホスニ・ムバラク大統領(82歳)の後継者は息子のガマル・ムバラック(46歳)氏だと考えられていたが、29日任命のオマール・スレーマン新副大統領は大統領が5期目を終了する9月の後は息子のガマル氏の世襲後継はないと2月3日のテレビで発表した。これはチュニジア革命の影響で1月25日から続く民衆の独裁者ムバラクへの国外への退出要求が2月1日の歴史的なタリリ広場での圧倒的な100万人抗議集会の実現で、ムバラク大統領は最後の切り札をだす譲歩策に追い込まれた模様。米欧も早急な変化を求めだしている。

バラック・オバマ米大統領は電話で30分ほどエジプトのムハンマド・ホスニ・ムバラク大統領と話した後で短いスピーチを出している。そこでは「(エジプトの)政権移行は平和裏に、今から即刻に開始すべきだ」とオバマ大統領はいっている。ルモンド紙(3日)によるとこの大統領の電話と同じ時に、マーバレット・スコベィ米カイロ大使はエルバラダイ氏と話をして打ち合わせているという。

モハンマド・モスタファ・エルバラダイ氏(68歳)は2005年のノーベル平和賞受賞者で国際原子力機関(IAEA)の事務局長(1984-1987)などを務めた人だが、27日夜にエジプト人民のためにモバラク打倒の運動を支持しエジプトに帰国した。その翌日の28日、同氏がデモに参加してそこで初めて「モバラク大統領に1月28日からは権力の座から即刻退去するように迫った」 とされている。

ムバラク独裁に反対するエジプトの民衆は大統領が国外へ出てゆくことを諦めてはいない。