2011年2月24日木曜日

カダフィ裁くのは「キチガイに刃物」忘れずに、欧州議会・国連安保理は大量虐殺は仏など武器輸出国の責任も問え

2月24日、すでにリビアの市民400人もの命を戦闘機やヘリコプターで殺害してしまった。カダフィによるこの大量虐殺の原因はキチガイに刃物をわたした者にもその一端があるように思えるのである。このことを人権擁護団体や欧州議会ならびに国連安全保障理事会はよく考慮して大量虐殺の責任を追及しなければならないだろう。


これはリビアで起きた今回の大量虐殺の本質的な問題である。


リビアの独裁者を善人扱いしてきたために、あるいは独裁者として認識することを経済的なパートナーだからとして避けて批判を許して、仲良く付き合ってきたために起こったとも考えられる。恐ろしいことだが、それを許してきた(与同罪の)者との共犯の大量虐殺であったともいえるのだ。

2月中旬に新チュニジア大使にサルコジ大統領から任命されたボリス・ボワロン氏は2月19日にチュニジアで記者会見し、チュニジアのジャーナリストを叱りつけたことで大問題になっていたが、同大使は謝罪したが収まりそうもない。追い討ちをかけるようにボワロン氏は2010年の11月にはリビアのムアマル・カダフィ大佐を支持する発言もしていたのがわかりさらに問題は拡大している

同大使はチュニジアの総ての人に謝罪したが、この40代の新タイプの外交官と目されるサルコジ大統領寄りのボワロン氏(現在のチュニジア大使)は、昨年11月のテレビ番組「グラン・ジュール」で「リビアのカダフィは自分の子供」だと話し、「カダフィは自分のしたことを今は改心しているのだから、だれも間違いはあるのだし、これまでの誤りをいつまでもネガティブに悪く取って見ていてはならない」などと話してカダフィを支持する宣言をしている。

 マグレブ諸国(モロッコ・アルジェリア・チュニジア)を担当するボリス・ボワロン氏のこの話は2010年の11月のものでまだチュニジア革命も勃発していないいわばイスラム・アラブ世界の革命前夜の話しとして、フランスの外交官の一般的な見識として興味深いのである。

その後、サルコジ大統領に信頼されて難しい革命後のチュニジア新任大使としてボリス・ボワロン氏は選ばれたが、リビアのカダフィを「キチガイ」とはみてないのはもちろんのこと「独裁者」とも見てなかったということだ。それどころかカダフィを支持する主張をしていた。


特に、チュニジアの独裁者ベンアリ前大統領とミッシェル・アイオマリ外務大臣(前内相、元防衛相)の関係を質問したチュニジアのジャーナリストに対し厳しく叱りつけたことは大変な重大な誤りだ。

 ミッシェル・アイオマリ外務大臣の夫と両親の4人は豪華ホテルやジェット機でのチュニジア家族旅行をチュニジアの独裁者ジン・アビディン・ベンアリ前大統領の側近から受けた。しかも同行した外相の両親はベンアリ側近の所有する会社に投資の署名が目的の旅行でもあったとわかった。外装の父親は自分のことだからとしているが、ベンアリ側近の会社に325億ユーロ(約39億円)の金を投資している。

 チュニジアのジャーナリストはこのような関係を糾すために質問したのだが、新任のボリス・ボワロンフランスチュニジア大使は、これに腹を立ててチュニジアのジャーナリストを叱りつけた横柄な態度にでて問題になっていて、今回のテレビ発言はその失態にさらに暴露が重なったもの。

これらのフランスの外交官や政治家の失態の背景には経済契約のパートナーなので相手が独裁者でも人殺しでもかまわないという思想があるのではないか?この認識の誤りと食い違いが、どこかサルコジ大統領などのそれと似ているもののように思えるのだ?

おそらくはそういう政治家は多いのは事実であろう。テレビでもバレリー・ジスカール・デスタン前大統領やシラク前大統領やメッテラン大統領も旧植民地から招待旅行を受けているからと「テレビに映し出してみせて、だから招待旅行を受けた自分も罪はないという論理を通そうとしているようで見苦しい。

ボンゴやチュニジアの独裁者ベンアリやエジプトの独裁者ムバラクなどから豪華ホテルやジェット機の特別プレゼントを受けても当然だといつまでも考えているとしたら、それは大統領や首相・大臣の責任を回避していることを証明することになるだろう。