今回の画像で特に注目される発言をしている最初の二人の意見を紹介する。
──始めの女性は、「G8の起源は1975年からだが、世界の最も富める国々が危機で一つに集まって設立を自己宣言したもので、そこに何ら民主主義的な性格があるわけではない。彼等が世界を支配しようとしてつくったものだ。それは現在、社会的・財政的・エコロジックな問題となって市民の前に立ち現れている。その意味で、彼等こそが問題を捲き起こした張本人なのであって、それを彼等が解決策を決定するというのは、そこに全く正当性が認められないものなのである」と主張している。
──次に眼鏡をかけた男性が続けて話す、「わたしも、それに賛成です。資本主義のシステムは地球を脅かしている。そして不平等の格差を強化している。すべての地球を商品化している。私がいいたいのはこれは我々の世界であり、我々の未来であるということです」と語っている。
2012年5月26日27日とドービルに集まった世界の経済大国G8のメンバーとは米国、日本、ロシア、フランス、英国、ドイツ、イタリア、カナダだが、上の二人のフランス人市民の話しによると、テーマの中心的なものとなった「原発基地」と「アラブ諸国の春」は、一つは資本主義システムのさらなる破産の回避策の検討であり、もう一つのアラブ諸国の革命は旧植民地独裁の延長をどう支援してゆくかとういう取り込み策の検討であったと考えられる。
私の感想では、この二人は普通のフランス人ではないように思えるが、こういう人が極めて珍しくはないということだ。(初出記事:【画像】フラネット(パリ通信) 11/05/28-9:46)