2011年6月16日木曜日

ロシアと中国は=アラブ諸国への内政干渉には、総て反対と宣言

6月16日、ロシアのメドベージェフ大統領を訪問した中国の胡錦涛国家主席はすべてのアラブ諸国への内政干渉に反対すると署名して宣言した。国際社会といわれる英・仏・ポルトガル・米などがこのアラブ地域の紛争を解決しようとして逆に泥沼を招来させる結果になっていて解決できないでいる。その中での両国の宣言となった。ロシアと中国はこの目標を達成するためにアフリカ諸国連合(UA)や国連(ONU)と連帯していくことを宣言するとともに、国際社会が2011年3月に国連安全保障理事会で決めた「国連議決1970」や「国連議決1973」での市民の安全保護という目標を厳格に遵守することが不可欠で勝手な自由裁量の判断は許されないと宣言した。

リビアのムアマル・カダフィ大佐への制裁決議である2月の国連(ONU)の常任理事国の決議ではロシアと中国は常任理事国の拒否権を行使しなかったが、その後両国は北大西洋条約軍事機構(NATO)のやり方を批判するようになっていた。現在はロシアと中国は国際社会の提唱する軍事的解決ではなく、外交的・政治的な解決を主張して内政干渉に反対している。

これは6月15日夜のフランス国営放送・テレビA2で放映されたような、フランスの戦車攻撃用ティーガー・ヘリコプターが空母のトネール艦から夜間に飛び立ってリビア領空に侵入して近距離から射撃をしている映像を見せて戦闘事実を示しているからだ。

国連(ONU)の常任理事国であるロシアと中国は、シリア政府のアサド大統領の流血圧政を弾劾しようとする国連安全保障理事会の専門家次元での論議を先週末に拒絶している。

リビアでは北大西洋条約軍事機構(NATO)の軍隊によって多数の市民が殺害されて泥沼化した戦争が継続されているという事実があり、それでフランスのサルコジ大統領などは訴えられている。このリビアの戦争を開始したのは先ずサルコジ大統領で、次に国連やNATOや英、イタリア、マルタなどの支持を得るイニシアティブを取っていった。コートジボワールへのフランス特殊部隊(リコルヌ)派遣の場合などもその手法は非常によく相似している。


(参考記事)
Moscou et Pékin opposés à toute ingérence dans le monde arabe: "où les Occidentaux cherchent leur soutien sur la Syrie, selon un communiqué signé jeudi lors de la visite en Russie du président chinois Hu Jintao."