オルセー美術館近くのソルウェリーノ通りにある 仏社会党本部 フランス全土が投票できると書かれた横断幕は 仏社会党の大統領候補予備選挙(プリメール) というフランスの最近の歴史では初めての、候補 者の民主的な選出方法をうたっている。 (写真撮影は筆者) |
しかしこのサルコジ大統領の昼食会での発言は、社会党(にではなくて、プリメールを支持する意見を出したフィヨン首相へ向けられたものだという。
11日、フィヨン首相は「右であれ左であれ党内予選というのは、現代的で法律に適したものだ」と話していて、これは2012年の大統領選挙以後を想定して話したものだとは一応はされている。
しかし、フィヨン首相は毎回の世論調査では、常にサルコジ大統領を大きく引き離す支持率を記録してきている。
もし社会党のように党内予選選挙(プリメール)でUMPの大統領候補者を決めることになれば、2012年の大統領選挙候補者にはフィヨン首相が選ばれる確実は多大なものがある。このような意見が更に強まることをサルコジ大統領が危険視して発言したものと見られている。
ジャン・フランソワ・コッペ国民運動連合(UMP)議長は、フィヨン首相の出席する10日夜のUMPの密会で、「いつからなのか、今からか、それとも2012年以降か」 「今、我々がいうべきことは、第五共和制を閉じなければならない !」と発言した。これは社会党の党内予選選挙(プリメール)の発議者でもあるアルノー・モンブール氏(セーヌ・エ・ロワール地方議員)が第六共和制を開始することを宣言していたことに関係しているようだ。
フランス国営放送テレビA2の10日夜のニュースでは国民議会UMP議長のベルナール・アコワイエ氏が映されて、サルコジ大統領の昼食会(同氏は不参加)の少し後での発言を取り上げている。同氏は、「党内予選選挙の方法はフランスにとって避けられないことになるだろう」と激しく宣言していた。
サルコジ大統領支持の側近の大臣たちは、「これは全くばかげたことだ」「時代錯誤だ」と批判しているという。
【関連記事】
仏社会党大統領予選選挙の第二次決選投票は、オランドが当選
2012年仏大統領予備選挙「プリメール」が不可能な与党UMPに非民主化の不安
オランドはパリ郊外のリス・オランジスでモンブールと健康と勝利に乾杯
[ 2011年10月12日 @ 8:53-paris]