2011年12月8日木曜日

フラネット(パリ通信)Télégramme 2011.12.08

2011.12.08 フラネット(パリ通信)Télégramme

▼ロシアは先週末の下院選挙の不正操作を訴える抗議デモが続いている。7日にで90年のノーベル平和賞受賞者ミハイル・ゴルバチョフ初代ソ連大統領は選挙のやり直しを組織することを提案した。反政府抗議デモではモスクワとサンクトペテルブルグ(旧レニングラード)で多くの逮捕者がでている。 
▼12月8日にコンゴ(旧ザイール)の大統領選挙の結果が発表されることになっていたが電子機器の関係で48時間の遅れが出る模様。現大統領のジョゼフ・カビラ(コンゴ・ザイール解放民主勢力連合ADFL)が優勢だと経過が報告されカビラ氏が49%、野党のエチエンヌ・チセキディ氏は39%となると予想されているが、反対派はこの数字を拒絶している。12月6日で大統領任期は終了したはずだが、委員会はこれを延期させ、12月17日に最高裁判所が新大統領を宣言するまでカビラ氏が大統領権を行使することになった。フランス政府は大統領選挙の各投票所ごとの開票結果を公表するように委員会に要請し、各政党の静粛な責任ある対応をするよう求めている。カビラ氏への抗議で、262人が逮捕されて大きな緊縮をはらんできている。
▼コートジボワールは11日の議会選挙を前に、人々の緊張感は高まっている。7日にロケット弾が国会付近の大通りで撃たれて3人が死亡した。現在、国際刑事裁判所(ICC-CPI ) で裁判にかけられているバグボ前大統領支持者側とワタラ現大統領支持者の騒乱が今も続いている。ICCではバグボ氏はワタラを支援した仏の戦闘専門の特殊部隊リコルヌLicorne)が介入したことを批判する証言をした。
▼7日、フランソワ・バイル議長の民主運動(MoDem)は2012年の仏大統領選挙への立候補を宣言した。同氏が3回目の立候補となる。
▼7日、シリアのバッシャール・アサド大統領は、米国のABC・ニューズ・テレビのインタビューに出演して答え、驚くことに、政府抗議の市民殺害を自分は命令してないと宣言した。国連はシリアの反体制デモで殺害されたのは4000人になるだろうと言っている。しかもアサド氏によると、殺害者の大多数は、反政府デモ側ではなく政府側にあったと証言している。
▼8日、ブリュックセルの欧州議会では、政府発行の外貨建て国債や政府保証債の元本や利子支払いの安全ランクを示すソブリン格付け評価は、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)によって悪化していることが指摘された。欧州諸国のトリプルAAAが脅威にさらされていることで会議を開く。特に欧州大手のナティクシス銀行やBBCE銀行、BNPパリバ銀行などが心配されている。ドイツのメルケル首相とオバマ米大統領との
7日の電話でも取り上げられた。米政府は欧州が財政危機を解決する能力がないでいることを非常に心配しているという。
▼8日、フランスの上院議会で先週から論議されている欧州諸国の仏在住外国人以外の地方議員選挙での投票権を認める法案が社会党(PS)によって提出される。左派が大多数を占める上院で審議されるてめに、フィヨン首相が来て政府の移民選挙権を認めない立場を擁護するという。しかし欧州諸国の多くは同域内外国人の参政権は欧州議会選挙と地方地自体では認める方向になっている。フランスは来春の大統領選挙を前にしているために、外国人参政権を認める問題は、外国人や移民を嫌う右派の格好の票集めの目玉になっているようだ。
▼7日、政治家暴露の専門週刊紙カナール・アンシュネは、仏政府は米国のベンタゴンに相当する防衛省の建物をパリ西部のバラー付近に建設する予定で、建設会社大手のブイグ社には、正式な一般オファーが出されない前に、委託書が渡されていたというもの。カナール・アンシュネの暴露で、政府のブイグへの好意主義と汚職の疑惑が起こっている。7日夜の、フランス国営放送テレビA2に映ったランゲ防衛相は全然問題など無いといった感じで早足で去り、ジャーナリストの質問をかわしていた。いまのところ、ブイグ側はコメントを控えている。
▼仏国営ラジオ・フランス・アンフォの質問で、フランスの誇る戦闘機ラファールが外国に依然として全然売れてないためにダッソー社は生産をストップするらしい。サルコジ大統領が毎回外国訪問で注文をとってきたとメディアで大々的に報道され、その契約価格が莫大であると話題になっていた。同様な理由から米国製の戦闘機に価格競争で負けていたという。しかしフランスの戦闘機はリビアやコートジボワール、アフガニスタン戦線で大活躍し莫大なフランスの借金の原因ともなったようだ。
▼8日、リビアのムアマル・カダフィ大佐の息子で事業家でサッカー選手のサディ・カダフィ氏(42歳)は、メキシコ政府の逃亡網工作によってメキシコへ逃げたことが同政府の宣言でわかった。同氏は国連によって外国への渡航が禁止されていた。