2012年1月18日水曜日

トップニュースは仏トリプルA喪失、ロワイヤル氏が体制メディアとサルコジ氏を批判

A2のテレビ司会者ダビッド・プジャダス氏は16日夜のニュースで今日のトップはイタリアの客船の座礁で、その第2番目のニュースはフランスがトリプルAAAを喪失したことだと価値づけた。しかし17日のルモンド紙の第一面のタイトルでは、「脅かされたユーロ圏の救済」、をトップにしている。フランスがトリプルAAAを失ったことの重要性を縮小化して政府の失策を否定してみせる体制メディアについては、16日朝の仏国営ラジオ・フランス・アンフォに出演したセゴレーヌ・ロワイヤル、シャラント・マリティーム地方審議会議長(2007年の元仏社会党大統領候補)が明快に指摘している。同氏はここで、「あなた方のメディアはフランソワ・オランド仏社会党大統領候補が話している健康政策案や雇用・失業対策案を報道して知らせないで、社会党にはプロジェクトがないと言わせている」と批判している。またフランスが16日にトリプルAAAを喪失したことについては、ロワイヤルさんは、「サルコジ氏は自分は何も責任がないふりをしているが、大統領自身がこれを失えば自分は死んでしまうと発言していたはずで、それほどに重要な事件なのだ」と話した。


格付け会社の一つスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は20分の19点であるが、ソブリン格付け評価会社の別の2社、フィッチ・レーティングス(Fitch Ratings)とムーディーズ(Moodys)社は仏のトリプルAAAは喪失してないと報道した。これら2社はフランスの評点方式では20分の20点つまり100点で満点だと、20分の19点というのは、たいした違いはないとその重大性をA2では過小評価してみせている。



驚くべきことは、ソブリン格付け評価各社3社を並べてみせて、これらをフランス式評価点の付け方20点満点方式に言い替えて話したことなのだ。この比較のやり方でいくと、フランがAA+になったことの重大さが不鮮明になってしまう可能性が強いのだ。


この評点で考えると、トリプルAAAを保持しているドイツ、AA-のスペイン、Aのイタリア、BBBのポルトガルとの違いが現実にはどれほど大きいかが隠れてしまうのである。


Aひとつを失うことの重大性をメディアは説明してない。このような報道はまったく恥ずかしいことで、この国の民衆の眼を欺くことにもなりかねない。ひいては自国の経済の進路を誤らせることになるだろう。また真実がかくされれば民主主義の実現は不可能になるのだし、メディアがそれに加担しているとなるとことは重大だ。


この日、フランスがトリプルAAAを失って欧州地域9カ国がスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の格付けが下落したことで、東京の株式市場は1.43%と落ちていたが、それは報道されてない。フランスのトリプルAAAの喪失の影響はないということなのか?