2012年12月9日日曜日

仏のロマ人本国送還援助資金を廃止 バルツ内相がサルコジのやり方を批判

パリ市内オペラ座付近。雪の降った寒い朝、ロマ人たちは店頭に暖を求め防風のダンボールやビニール・シートを張って夜をあかす。2012年12月7日、筆者撮影
7日マニエル・バルス仏内相(Manuel Valls )はロマ人本国送還援助資金を廃止することをパリ南近郊のモントルーユ市を訪問しロマ人をスティグマ化(異人化)することに反対すると宣言した。これはサルコジ前大統領がロマ人をルーマニアなどの本国へ帰還せるのに大人300ユーロ(約3万円)子供100ユーロの資金を提供することをおこなってきた。しかしそのロマ人の3分の2が直ぐにフランスに舞い戻ってきていて、また援助を受けて本国へ帰るという悪循環がくり返されており、NGO組織のロマ人支援団体からも結果的に貧困の悲劇を増大させ、フランスも高価な出費となる歪曲した援助だと批判されている。


ロマ人支援の協会によると、フランスには150万人から200万人のロマ人が常時住んでいて、フランスから退去させられてもすぐに舞い戻ってくるということだ。

2011年度にロマ人がこの援助を受けたのは10600人でその内の2000人が子供であったと仏移民・同化局(Ofii)ではいっている。

バルツ内相はロマ人排除と援助を政治的に利用し、ロマ人をスティグマ化することに反対していて、ロマ人の子供が就学し親が仕事を持ち周囲の住民と強調して暮らすという根本的な「尊厳ある」解決策を関係者全員に呼びかけている。しかし不法キャンプについては、今年夏には2000人のロマ人が排斥されているが、これは今後も止めないこともいっている。

【参考記事】

Roms : Valls met fin à l'aide au retour

08/12 | 09:41 
http://www.lesechos.fr/economie-politique/politique/actu/0202438386289-roms-valls-met-fin-a-l-aide-au-retour-518727.php