2013年5月17日金曜日

ゴッホ終焉の土地 オベール渓谷に光を求めて

絵画の旅・絵の印象

絵画の旅
 絵の印象。この絵はセーヌに流れ込むオワズ川の渓谷にある町オベールの村でゴッホが描いた。村の子供はまるでジャガイモのようで手の指は節くれ立っていて女の子とは思えない。ゴッホは白い岩の家屋がオワズ渓谷に沿って並ぶこの町で80枚以上の絵を描いた。

 ここに来る前のアルルなど南仏での2年間の滞在では350枚ほどを描いた。この絵の子供たちとの邂逅で死を宣告される。絵は彼が下宿していた裏道を蛇のようによじ登る階段付近で描かれたもの。 

 光がイルドフランスの低い空の雲とそこにオワズ渓谷を低く流れる川に閉じ込められてトログロディットの白い崖に掘られた住居の間で跳ね返って横溢し空中に浮遊している。ゴッホは誰も彼を受け入れてくれないまま終焉の土地を探していたのかもしれない。それが感じられる旅が光を探していたゴッホ終焉のオベールの地なのである。