フランス議会は5月16日左派連合の提出していた「人種」の語の削除をフランス議会で採決した。オランド仏大統領は昨年2012年の大統領選挙当時からこの人種の語を憲法から外すことを宣言していた。これに対しサルコジ前大統領はこれは文字をなくすだけでしかないと否定的にとらえて批判していた。1881年7月29日に制定された刑法から「人種」の語が削除される。
フランスの共和国内に人種差別があってはならないのは法の規定である。現実的には人種差別がまだ存在するわけだが、その現実を乗り越えて行くことも必要で法的認識からそれを排除することが必要なのだと考えられる。例えばこの世に悪魔や天使は存在しないのだがその語があることでありもしない悪魔が出現したり天使が現れたりするからだ。
国民運動連合(UMP)の議員らは「現実は文字の変更では変わらない」「現実に存在する人種差別と闘う法的用語を弱らせることになる」などと批判している。これは現実世界に差別を先ず認めるところから出発している考えでこれを失くすことから出発した意見ではないからだ。
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