2013年6月21日金曜日

シリアの歴史的建造物を救済する前に ユネスコは1人の人間を救うべき

 ユネスコの年次総会がカンボジアのプノンペンで6月27日まで開催されている。シリアの歴史的建造物は、2年間に及ぶアサド大統領の民衆弾圧と蜂起軍との戦火で破壊の危機にある。


 今回、国連の世界遺産組織によって、「崩壊寸前の状態」にクラス付けられた。しかし、ユネスコによる過去の遺産保存も大事だろうが、現在に活きる人々がすでに10000人も犠牲になっていることにはどのように対処するのだろうか。ユネスコは過去の歴史的建造物を破壊から救う前に、まず今殺害されようとしている1人の人間を救わなければならないはずだ。

 アレプ(Alep)の旧市街地は2011年3月の紛争の開始から破壊されている。イスラム寺院オメヤド(Omeyyades)の尖塔ミナレは崩れ落ちた。

 ダマスの旧市街は4000年前にできたもので中東で最も古い町のひとつだ。

 ボスラ(Bosra)はシリア東部に位置している考古学的に重要な町で、ここではローマ時代、ビザンチン時代、そしてイスラム時代の廃墟を見ることができる。

 パルミレ(Palmyre)の町はすでに3月に寺院が爆撃され破壊された。

 カラック(Karak)とクアル・アト・サラ・エル-ダン(Qal'at Salah El-Din)は1000年前の町だが2つの城は数度にわたり爆撃をうけた。

 シリアの北方にはビザンチン時代と古典時代の生活様式が保存されている40を数える村があるとう。

 しかしながら、シリアの全部のユネスコ認可の建造物の価値よりも、1人の人間の命が尊重されなければならない。これほどまでに人間の命が軽くなった時代はない。シリアでもユネスコはそういう価値付けに正面から反対すべきだ。

【参考記事】

Syrie : six sites historiques classés "en péril" par l'Unesco