フランス共産党と左派党では、パリで最も面積の広い16区は、ロマ人を贖罪のヤギ扱いしたり政治の道具として利用するのではなくて、解決策を探すべく、ロマ人との連帯と同化村の開設に参加すべきであると考えている。フランス共産党はロマ人のキャンプをパリの高級住宅街16区に設営することを望んでいる。10月14日と15日に予定されているパリ市審議会で左派党議員によって提案される。17区の議員イアン・ブロッサ氏によるとパリ近郊都市イル・ド・フランス地方にはフランスで1万7千人の内の1万人のロマ人が悲惨と極貧の中で生活しているという。フランス政府は全国で50ほどのロマ人村を創設することを考えているが、この政策にはパリ市も参加すべきだとしている。
「ロマ人は我々とは生活様式が余りにものかけ離れている」とマニュエル・バルツ仏内相が発言したことで、セシル・デュフロ仏都市・住宅相はバルツ内相を批判し、「フランス共和国では個人の信条や習慣による差別はあってはならない」「フランス共和国の精神に外れたものだ」と指摘しバルツ氏を射止めたために、今度はオランド仏大統領がその仲裁にはいった。
バルツ内相はサルコジ前大統領のようにロマ人をスティグマ視することで右傾化しているフランス人の人気を得ているようだ。世論調査でも80%に近い評判だと調査会社は数字を出している。しかし社会党のバルツ氏がいつからロマ人を差別視するようになってしまったのかわからない。同氏が市長を務めていたエブリー市は隣町のグリニー市やコルベイユ・エッソンヌ市と共にロマ人の多い地区であったはずだ。
【参考記事】
Un élu communiste veut établir un camp rom dans les quartiers chics de Paris
http://www.france24.com/fr/20131005-elu-communiste-veut-etablir-camp-rom-quartiers-chics-paris