2013年11月12日火曜日

「イラン制裁に逃げ道」を配慮、プーチン首相のパリ発言、国連安保理採決の日に

2010年6月9日の20時からのフランス国営放送・テレビA2で、同日フランスのパリを公式訪問中のロシアのプーチン首相へのインタビューが報道された。イラン制裁に逃げ道を配慮した発言や、イスラエルの公海での行為が悲劇であったと指摘している。プーチン首相の国外でのインタビューというのは少ない。国連安保理がイラン制裁を採決したその日に、ロシアの陰の実力者の真意が語られた貴重な発言を報告する。
質問-- ロシアは民主主義が狭まっている。プレスやメディアの対抗勢力が弱っている。心配なのはジャーナリストが罰せられたりしていることです。
プーチン首相-- そういうフランスの心配は私はわかります。これは古い伝統で、ヨーロッパ人は自分達の一般基準と規範を他に押し付けるということである。アフリカの植民地主義の時代を思い起こしてください。ヨーロッパ人は彼等の法律と基準を持ち込み、現地の人々を教育し文明化した。人権侵害についていえば、どこにだってあることで、例えば、人権侵害は牢獄のなかにもある。あなたの国フランスのことです。(本文の初出 / 公開日時: 2010年6月11日 @ 11:01  )

質問-- それは、比較できることだとお思いですか?

プーチン首相-- 数年前に人権団体がこんなにぶ厚い調査レポートを、あなたの国の牢獄についてやった。(右手を上げて人差し指と親指で5センチぐらいの隙間を空けてみせる)。そういう人権侵害があり、それと闘う必要がある。ロシアのシステムにもたくさんの直さなければならない点がある。批判して改善しなければならない。そのような自然な過程でもって、成人(おとな)になる。我々はツァーリズム、スターリズム、コミュニズムを経て、1990年からは別の社会をつくった。別の原理の上にある社会で、それは時間がかかる。

質問-- 10日間、世界の目がイスラエルとガザ地区に釘付けにされている。ロシアは(ガザ地区の)包囲壁を取り払う要求をするのですか?

プーチン首相-- ロシアはいつも包囲壁を解くようにいってきた。私はその土地の人々のイニシアティブではその問題は解決するとは思わない。人権団体による人道輸送船に関しては、特に悲劇的であった。というのは、その行為が公海で行われたということだ。それはまったく、あってはならないことである。そこから、こんなことを再度くりかえさないようにあらゆる努力をすることだと心から思う。

質問-- イランについて答えてもらいますが、イランが硬直化して、最近あなたのイランに対する態度に変化があるように思うが、あなたがたがイランに新しい制裁を決めた時に、イランは激しい反応をした。つまりこのロシアの決定は受け入れ難いものだということについてですが、あなたは、この点、どのように思うのか?

プーチン首相-- イランへの扉を完全に閉ざしてはいけない。我々はいつもイランに制裁から逃れられる可能性を残している。いくらかの主権(国)は力を行使してイランに対抗しようとしている。私の意見では、これは完全に場違いなものである。それが、我々が解決しようとする問題にどんな良い結果ももたらすことはなく、巨大な悲劇を起こすことになっている。

質問-- 最後に、慣習的な質問なのですが、あなたが動物と一緒にいたり、釣りをしたり、ナイフを腰につけて上半身裸体を見せたりしているのは、ロシアを治めるのに強い人のイメージが必要ということですか?

プーチン首相-- 指導者には国を治めるのが可能なように計画し組織している者がいるが、私は、自分の好きなように生き、私のできる仕事をしている。私は好きなことをしているだけだ。人生は一回きりだから。

(参考記事)