2014年5月19日月曜日

ソシエテ・ジェネラル銀行の元トレーダー ケルヴィエル氏 仏警察に出頭

ケルヴィエル氏は、「たとえ私が無実であろうと、私は法律を尊厳する。裁判所の決定を遵守する」と宣言し、ソシエテ・ジェネラル銀行の元トレーダー(証券投資)マンのジェローム・ケルヴィエル(Jérôme kerviel)氏はマントン国境からフランス側に入り警察に18日深夜前に出頭した。この裏には裁判所やソシエテ・ジェネラル銀行の責任を問い続けるケルヴィエル氏の抗議の姿がある。今後は裁判は、被告側からの、損害賠償金490億ユーロ(約73500億円)取り消しの再審判決がベルサイユ上告裁判所で予定されている。490億ユーロというのはフランスの最低賃金労働者の37万年分の給料に匹敵する莫大なものだ。

この2日間はフランス国境側に数メートルの所に陣取って、ケルヴィエル氏は同氏の弁護士ダビッド・クービィ(David Koubbi)氏とともにフランス領には入らずに、オランド仏大統領との会見を申しいれていた。刑期の変更は大統領権限に無い為に同氏の希望も叶わなかった。しかしケルヴィエル氏が自分の無実を訴えて1500キロ以上もヨーロッパを行脚しローマ法王フランソワにまであってきたことは多くの人の心を揺り動かしていた。これには銀行側はこころよく思わなかったようでメディアを非難している。

ケルヴィエル氏がフランス国境にたどり着いた2日前には多くのメディアが駆けつけて話題にした。

パリ検事は18日深夜24時前までの猶予を示して、その前に出頭したならば逃走とは見なさないといっていた。同氏はフランスで刑期の3年を勤めることになりそうだが、ひょっとして別な裁判が今後起こるかもしれない。

ケルヴィエル氏は、6年前にエテ・ジェネラル銀行に元トレーダーとして雇用されていたが、500億ユーロ(約75000億円)の記録的な莫大な損失を与えた責任者としてこれまでに3回の裁判があり、17日には仏最高裁判所で執行猶予付き5年の刑が確認されていた。今後ベルサイユ上告裁判所でケルヴィエル氏への賠償金490億ユーロ取り消しの再審判決が予定されている。いずれにせよ、ケルヴィエル氏の実刑は今のところ保持される。

ケルヴィエル氏は19日朝にニース刑務所に入った。

【参考記事】
http://www.franceinfo.fr/actu/justice/article/nouvelles-revelations-dans-l-affaire-kerviel-l-avocat-de-la-sg-denonce-une-operation-mediatique-681259
http://www.franceinfo.fr/actu/justice/article/que-va-faire-jerome-kerviel-464547