2014年5月23日金曜日

仏トゥールーズから姿を消したメラの妹は アサドと戦うシリア聖戦に出発

モハメッド・メラの妹がトゥールーズ警察の監視下からしばらく前に姿を消していたことが5月23日に報道されている。彼女は兄の聖戦主義者活動を支持していることなど、兄メラの殺害事件に誇りを感じていることを発言していたことがテレビで撮影されていて、警察はメラ事件との関連で調べていた。彼女はシリアのバッシャール・アサドと闘うために現地に夫と共にトゥールーズから出発していると21日のRTLで報道されている。

2013年1月にこの撮影は公的なものではなかったために彼女の否定もあり、発言は無い事になった。しかしメラ事件に協力したと見られて、新たに2014年春から監視下に置かれていた。

トゥールーズ・モンターバンでのスクター連続殺害事件は仏パラシュート部隊の軍人3人とユダヤ人学校を襲って3人の子供と教師を殺害したもので、それはフランス人の誰もの記憶に深く焼きついた事件であった。殺害事件は2012年の3月19日と3月19日に起こりメラ青年は閉じこもったアパート内に篭城しこれを仏の特殊部隊が襲撃し3月22日に殺害した。これがモハメッド・メラ事件と呼ばれるものだ。

メラ事件の起こったのは、2012年の仏大統領選挙の最中でテレビに毎日のように釘付けになったフランス人はテロに対する憎悪とともにイスラム教徒にたいする反感の感情が炊きつけられたのは間違いない。選挙があるごとにフランスではこの移民や外国人、とくにイスラム教徒が話題にされるのは偶然ではなく全く不思議なくらい確実といってよい。

22日のフランス国営放送テレビA2ではカレーの町でイギリスに渡れずに立ち往生している中近東あたりから来た移民を問題にしている。今週末の5月25日に欧州議会選挙を控えているからなのだろう。しかしこのカレーの移民問題は今始まったのではない。選挙前になて事件が今起こったが如くテレビで騒ぐのがおかしい。それにユーゴスラビアなどは、欧州加盟国域内での人と物の自由な移動を認めたシェンゲン協定とは無関係な国である。

メラ事件も同じで、メラ青年がイスラムの聖戦主義者活動を支持してパキスタンなどに訓練に出向いていたことは殺人事件が起こるずっと以前からフランス政府は知っていたことが後でわかっている。しかしそれを監視することを怠ったのか?わざとそうしたのかはわからない。とにかく事件は仏大統領選挙前に起こったのである。

そこにある種の相関性があるのかもしれない。サルコジ前大統領自身はメラ事件を訪問先のブリュッセル議会の合間にジャーナリストからの質問をうけて、みんなは私がやったとでも思っているのだろう?と答えていたのが逆に不思議に感じられた。

【参考記事】

http://www.rtl.fr/actualites/info/international/article/la-soeur-de-mohamed-merah-suspectee-d-etre-partie-faire-le-jihad-en-syrie-7772174302