2014年6月4日水曜日

ビグマリオン社の優遇措置で 前仏国営テレビ総局長に賄賂容疑

架空請求書で問題になっているビグマリオン(Bygmalion)社の取り引き相手にはフランス国民運動連合(UMP)の他に仏国営テレビ局がある。このフランス国営テレビグループ前総局長(2005年-2010年)であったパトリック・ド・カロリス(Patrick de Carolis)氏は、2011年から2012年で119500ユーロ(約1800万円)ほどの大金の賄賂をビグマリオンの下請けEvent&Cie会社からもらっていたことが5月25日に暴露された。身内のことでもあるのか?フランスのメディアはこれを余り話したくないようだ。
ビグマリオン社はバスチアン・ミロ(Bastien Millot)氏が2008年に創設した会社で、ミロ氏はそれ以前はジャン・フランソワ・コッペ財務相の官房副長官をしていた人だ。フランス国営テレビグループ元総局長のパトリス・ディアメル氏によるとミロ氏とコッペ氏が出会ったのは2004年秋から2005年春だという。パトリス・ディアメル氏は夫人がフランス国営放送テレビA2のジャーナリストであったことからミロ氏を1997年以来知っていたという。

検挙されたカロリス氏は刑事にパトリス・ディアメル氏とバスチアン・ミロ氏を以前から知っていたと答えた。パトリス・ディアメル氏はパトリック・ド・カロリス氏には2005年春に初めて会っている。

2005年にカロリス氏がフランス国営テレビグループの総局長に就任するとその副総局長にパトリス・ディアメル氏をすぐに任命した。バスチアン・ミロ氏はそこのナンバー3に任命された。しかもミロ氏はサルコジ大統領付き報道を担当することになった。

2008年にミロ氏は有給休暇をとってビグマリオン社の設立に取り掛かった。この時期のサルコジ前大統領とミロ氏との関係は反吐が出るほどひどいものだという。サルコジ氏はフランス国営テレビでの広告宣伝の廃止を宣言し、誰もがド・カロリス氏が辞任させられるものと考えたがそうはならなかった。2008年から2013年の間にビグマリオンはフランス国営放送テレビに接近して契約を取り付け、役員らは巨額の利益を得たという。

サルコジ前大統領の諮問官でジャン・フランソワ・コッペ氏が財務相から経済相になるころにその官房長官をしていたカミーユ・パスカル氏がビグマリオン社に公示なしでビグマリオン社と契約した事が優遇措置を施したという容疑で、2014年3月25日に検挙されていた。

しかし、パスカル氏はビグマリオン社との契約書にサインをしたのは自分ではないといっていて、サインをしたのはド・カロリス氏か、人事・財政の代表総長のキュィエル氏だといっている。

パスカル氏は、2006年に仏視聴覚最高評議会(CSA)に補助員とし入った人だ。

CSA会長ドミニック・ボーディス(Dominique Baudis )氏は2014年4月10日にガンでパリのバルドグラス軍事病院で死亡している。