2015年11月19日木曜日

フランス分断化を狙うテロの恐怖に怯えない 予定通り「サンドニ」で劇上演は 無知蒙昧と闘うため

11月18日の夜にサンドニ市にある劇場「ジェラール・フィリプ・テアトル」は当局の許可を得たとして予定通り劇を上演すると同館長のジャン・ベロリィニ氏は言っている。サンドニといえば、18日早朝4時少し過ぎに警察の特別テロ対策班がテロ容疑者の住むアパートを襲撃し、5000発の銃弾が飛び交い、1人の若い女性が爆発物を身に装着して神風自爆をした。警察との銃撃戦では更に1人が死亡した。警察側も5人が軽傷を負ったばかり。町は一日中夕刻まで外出禁止令が出されていた。当劇場はこの事件のあった数百メートルの距離に位置している。テロの恐怖は我々の集まりを妨げることはできない。テロリストの狙いは我々が怯えフランスの分裂とフランス人の結束を破壊することだ。我々はこの手には乗らない、我々は恐れずに劇を今夜も上演する。このような見識のある市民がフランスを作っている。テロの騒動の恐怖を利用してイスラム聖戦主義者を人種差別の怨念や復讐の対象にしてスティグマ化し、フランスを分断させようとする、政治的な取り込みの目論見も失敗した。今では極右系政党もサルコジ派もこの不幸を利用することなどは、恐れ多く恥ずべきことだとしてできなくなっている。18日の全国市長総会ではオランド大統領が演説し、一同そろって国歌ラ・マルセイーズが歌われた。(パリ=飛田正夫2015/11/19 14:31日本標準時 )

公演はモリエールの「トリゾッタンもしくは女学者」とデユードネ・ニアングナの「私はモハメッド・アリです」である。ベロリィニ氏は、こんな時であるからこそ上演は非常に大事であると言っている。劇は生きていて楽しいし、人を受け入れる。私たちは幸せである。サンドニのような複雑な場所で人間的なしかも豪華な内容で、世界を語る政治的な古典劇と現代劇が我々の価値として上演できるのは素晴らしいと話した。
モリエール劇の方の監督マッシャ・マカイエフさんは、劇団員に次のようなメッセージを送っている。「我々は今夜サンドニで上演する。みんなの勇気を称賛したい」「サンドニでマルセーユでフランスのどこでも、劇は偏狭なセクト主義や無知蒙昧や他からの恐怖に対して我々を目覚めさせておく灯台なのである。」
……

「ジェラール・フィリプ・テアトル」でのモリエール劇は11月29日まで上演される。月曜から土曜までは20時から日曜日は15時30分から始まる。上演時間は2時間10分。デユードネ・ニアングナの方は20時30分から始まり、11月21日まで上演される。日曜日22日は16時からで上演時間は1時間10分。
住所は59 ,boulevard Jules Guesde,Saint-Denis Seine Saint-Denis 電話01-48-13-70-00

【参考記事】

http://www.leparisien.fr/flash-actualite-culture/le-theatre-gerard-philipe-de-saint-denis-joue-mercredi-soir-contre-l-obscurantisme-18-11-2015-5289777.php#xtref=https%3A%2F%2Fwww.google.fr%2F

http://www.liberation.fr/direct/element/le-theatre-de-saint-denis-reste-ouvert-ce-soir_23732/

http://culturebox.francetvinfo.fr/13-novembre-a-paris/a-saint-denis-le-theatre-gerard-philipe-joue-ce-soir-contre-l-obscurantisme-231070